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党首討論に見るリーダーシップ考察 [ちょっとまじめな話]

今日は久々に妻の実家ではなく我がローンまみれの新居へ帰宅。
で、テレビをつけると、参院選の公示に合わせて党首討論が。

どうしても話題は年金問題になるのだが、お互いの主義主張があまりロジカルには感じられない。
なぜかと考えると、それはそれぞれの党が相手の党の考える年金制度に対して矛盾を指摘していくのではなく、「いやいや、自分たちはこんな制度にしますよ」という議論の応酬だからだ。
これではディベートではなく、自己主張合戦だ。
新党日本(だったっけか?まあ、究極のマイノリティなので党名なんて知らんけど)の田中さんなんて、社会保険庁が独立行政法人化することによって今いる公務員の給料が税金から拠出されたままで10%アップになってさらに年金財政を圧迫する、なんて発言をしていたが、これはナンセンス。
そもそも、年金問題は人口比率問題であって、しかも社会保障費20兆円の中での国家公務員の給与総額は確か5.7兆円程度のはず。
そのうちのわずかな社会保険庁の職員の給与が10%上がったからと言って、年金財政には何の影響もないはずだ。
いわゆる、これは「ケタ間違い」の議論だ。
同じような間違いとしては、「年金財政を健全化するために出生率を上げるための施策を考える」というのがある。
人生80年とすると単純割しても0歳児の比率は80分の1であり、その出生率が1.32から1.35に上がったとしても全体への影響はほぼゼロだ。
まあ、だからと言って社会保険庁の職員が責任の所在を不明瞭にしたまま給与アップするのは納得感はゼロだけど。
ただ、特に中央省庁に勤める公務員はワイドショーが吹聴するほど楽な仕事ではなく、むしろ激務薄給の厳しい世界だ。
なので、今までの戒めを胸に決意新たに業務に取り組んでもらえるなら10%アップもやむなしかな~なんて思うのは、あまりに性善説主義すぎるのだろうか。

閑話休題。
党首討論を見て改めて考えさせられたのは、「リーダーシップってなんだろう?」ということ。
これについて、最近読んだ後 正武氏の本で非常に明快な解説がなされていたので、ちょっと紹介。

リーダーシップと一言に言っても、そこにはいくつかの型が存在する。
それは、正当性を主張して人を引っ張っていくための根拠を何に求めるかで分類ができるというもの。
後氏によると、大きく分けて制度型リーダーシップ、人間関係型リーダーシップ、技術型リーダーシップ、ビジョン型リーダーシップがあるという。

制度型リーダーシップとは、組織の持つ権限と機能(役員、部長、課長等)に従って、効率的に組織目的の達成を目指すタイプのもの。
訓練の生き届いた組織では秩序を保つ力が強いが、制度に根拠を置くがゆえに制度そのものを自己否定するような改革には不向き。

人間関係型リーダーシップとは、「この人についていきたい」と思わせるようなタイプ。
これはリーダーの下にいる個人の能力を自発的に発揮させるという点に強みがあるが、「あの人のためなら」という姿勢はあるものの「何をどうするか」についての認識が一致しないケースも多い。いわゆる、笛吹けど踊らず状態になってしまう弱点がある。

従来の終身雇用&年功序列を基本とする日本の企業制度においては、制度型と人間関係型の中間型リーダーシップが一番多い。
ただ、高度成長が終わってバブル崩壊を迎え、景気が上向いてきたとはいえ抜本的な組織改革・ビジネスモデルの変更が求められる今において、新しい視点や価値観で物事を取られるには、組織の力に頼った叱咤激励や人間的信頼だけで突破していくのはあまりに無理があるのは自明だろう。

そこで求められるのが、技術型リーダーシップと、ビジョン型リーダーシップ。

技術型リーダーシップとは、正当性の根拠を理性による理解と工夫、論理的な論法に求めるタイプ。
ただ、この技術型も理論だけでは単なる批評家に終わってしまうため、実行力に欠けるリスクがある。

そこで、ビジョン型。
多少強引でも自分の信念と熱意を持って一点突破して周りを引っ張っていくタイプがこれ。
これも、登場する時期が間違うとただの自己中心的な存在になってしまう可能性がある。

で、ここからが面白いのが、どれがよくてどれが悪いということではないということ。
組織や事業のライフサイクルにおいて、それぞれが求められることになる。

たとえば、郵政民営化を軸とした小泉内閣では、小泉総理は勿論ビジョン型で、その下に竹中平蔵が技術型としてサポートし、青木幹事長が人間関係型、そして実際の実行に当たっては内閣府をはじめとした実行組織の中で制度型リーダーシップを持った人間が力を発揮したのだろう。

翻って自分の会社内を考察すると、そもそも組織が常に変化し、新卒・中途・外国人が入り乱れる外資系企業においては組織型と人間関係型ではブレークスルーできないことがよくわかる。
やはり技術型とビジョン型の協業が必須だろう。

こうしてリーダーシップ論を分析してみると、自分の目指したいところが何となく見えてくる。
間違いなく今目指したい道は、技術型リーダーシップをメインとして少しビジョン型になることだ。
まずはしっかりとしたビジネスフレームワークと論理的思考を持ってProject業務にあたり、その遂行においては周りの人にビジョンを伝えられるようになれればと切に思う。
今後3年間の一つの中期目標だ。

こうやって自分が得た知識をかみ砕いてBlogに書くことで理解も深まるし、後から見て自分の考えも確認できるのは良いことだろう。
こういうBlogの使い方も、まあ悪くはないのでは。

最後に一気に話を変えるが、今日の阪神!!
いやー、桜井よーやった!
調子を落としているといえ、この時期に首位巨人を3タテというのは素晴らしい。
岡田監督はファンから見てもあなたのリーダーシップは何型かよく分かりませんが(間違いなく技術型ではない)、というかリーダーシップがあるのかどうかすらたまに疑問ですが、何とか若手を育てながら組織を盤石にして行ってほしいもんやな。


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