びじねすぶっく [ちょっとまじめな話]
かなり久しぶりのマイハウス帰還。
そして娘はまだ生まれず。
確かに予定日はまだ少し先だが、長男が2週間ほど早く生まれたのに比べると、少しのんびり屋なのかもしれない。
いずれにしても、楽しみ楽しみ。
妻の実家にいる間はPCの無い生活となるわけだが、それはそれで悪くないもんだ。
息子の寝顔をゆっくり見れるし、たまってる本も読み進む。
ここ3週間程で読んだ本と言えば、こんなところ。
逆転の競争戦略 第3版―競合企業の強みを弱みに変えるフレームワーク
- 作者: 山田 英夫
- 出版社/メーカー: 社会経済生産性本部
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
今までのマーケティング戦略本が基本的にはリーダー企業の(もしくはリーダー企業になる)戦略について書かれていたのに対し、山田英夫の理論はチャレンジャーやフォロワー、ニッチャー企業が如何に後発優位を発揮してリーダー企業のシェアを逆転するかということに重点を置いている。
狭い視野と今の業界内にしか意識がいかなかったために、突然競争のルールを覆されて転落してしまうリーダー企業の多数のケーススタディは示唆に富む。
はい、そうです。いまさら読みました。
冒頭のシルクドソレイユの話ですでに食傷気味だったが頑張って読みました。
理論自体は、競合を見るのではなく新たな市場を創造してレッドオーシャンから抜け出そうという方法論であり、あくまで新市場を如何にして発見・開拓するかに軸足を置いているが、結局は現在の競合他社との戦略キャンバスの差別化がその手段であり、それであれば直接競合を狙い撃ちしていく山田英夫の競争理論の方が小気味良い。
しかも他社との差別化のキーとなる戦略キャンパスの横軸の各要素を選び出す理論は特に無いので、かなり後付け理論的な印象が否めない。
ただ、後半3分の1程は策定した戦略を如何に実行するかについて書かれており、むしろこの部分が参考になった。
で、更にその戦略遂行と実践的な組織論を濃縮した様な一冊がこれ。
特にリーダーシップと組織論のパートが秀逸で、なぜ今日本企業が国際的な競合の中で厳しい立場に立たされているのか、それを打破するためには何が必要なのかが非常にわかりやすく解説されている。
これはビジネス書としては、おそらくこれから何度も読み返すに違いないと確信した。
世にあるMBA系の理論やマーケティング手法を如何に実践の場で生かすかが、ほぼノンフィクションのケーススタディーに沿って展開される。
マーケティングに従事する人間には必携の一冊と言っても過言ではないと思う。
しかも、新刊はあとがきでちょっとした感動があるので、読むときは絶対に新刊を。
こんな本をマーカー片手に読んでみたが、どれにも共通しているのは、何かを成し遂げるために最終的に一番必要なのは、行動力と熱意であるということ。
ビジネスフレームワークはそれが空回りせずにできるだけギアにかみ合うようにするツールでしかない。
行動力と熱意は、いわばモチベーションであり、何のために働くかということに尽きるのではないだろうか。
ソフトバンクの北尾氏がそんな本を出していたかと思うが、その根源的な部分には国ごと、民族ごと、地域ごと、人ごとの違いがあるのだろう。
人それぞれ異なるモチベーションを、それぞれに高めて行って、如何ににチームとして事を成し遂げるか。
そして、関西人としてはそこに笑いのエッセンスを常に如何に加えていくか(もしかすると、笑うことこそが最大のモチベーションなのかもしれないし)は、永遠の課題だろう。
よし、その引き出しを増やすために今からYoutubeで漫才見よう。
こんばんは。ご無沙汰です。
・山田英夫は「悪魔の辞典」も要チェックです。外人にもうけるような気がします。
・ブルーオーシャンはグッドウィルの折口氏が推薦文を書いていたので、立ち読みで済ませました。新規事業は新会社で最高の戦力を投入、というのがベストの答えだと思います。
・後 正武は「論理思考と発送の技術」がバーバラミントを上回る論理思考のテキストです。現在は絶版のようですが、バーバラミントが読みにくいと思う方には良いと思います。
・三枝 匡は「V字回復の経営」がマイベストブックの一つです。戦略プロフェッショナルが気に入られたのであれば、こっちも気に入られると思います。
by きくち (2007-07-22 01:17)
「俺の方が読んでるぜ」的なコメント、非常に勉強になります(笑)
いやしかし、冗談抜きで網羅してますね。
ちなみに、「論理思考と発想の技術」は今読んでます。
半分ぐらい読み進めましたが、既に必携的存在になることを確信しとります。
ここ数カ月、超マニアックな専門書ばかり読んでいたので、こういうマーケティング的な本に飢えてました。もっとお勧めあれば教えて下さい。
あと、8月は雷ライブまた行きましょう。
by TAKKUNN_S (2007-07-22 11:06)
大衆本ならお任せください。
その代わり専門書の類は一切読めません。
非常に浅いので、ボロが出るまえに先制攻撃です(笑)。
イギリスは歴史への造詣が紳士の証のような印象ですが、フランスはどうなんでしょう。シニカルな文化だとすると、悪魔の辞典に加えて「オトナ語の謎。」(糸井重里 新潮文庫)もうけるような気がします。
では。
※すべらない話のDVDにはまっています。
by きくち (2007-07-22 14:39)