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プレゼンテーション [仕事]

月曜日のプレゼンは、おかげさまで(?)、自分なりにもうまくいったと思う。
最終的にグループ本社の各戦略部門から40名に出席して頂き、なかなかの規模となった。

前日は同僚から「どう、緊張してる?」といった質問も受けたが、正直当日は全くといっていいほど緊張しなかった。
スクリーンを背に見渡してみると、“大物”の顔もチラホラ見受けられたが、意外なほど落ち着いていた。

理由は二つ。
一つは、歯痛のための抗生物質を朝も飲んでおり、ちょっとボーッとしてたから(あかんがな)。
二つ目は、英語だから。
今回はフランス人以外の出席者もいたのではなから英語で準備していたが、冒頭上司から真剣な顔で「どっちでやるの?フランス語の方がいいと思うけど」とムチャ振りされて一瞬焦ったけど。
でも、「今日はフランス語で準備していなくて・・・でも、なぜだかわからないけどどうしても今日は英語でやりたい気分なんです。」ってフランス語で笑いをとってみた。
・・・まあ、多少は進歩してるか?
英語でやる方が緊張するのでは?と僕自身も思っていたが、実際にやってみると「どうせ母国語じゃないから詳細な部分は伝えきれないし。」という割り切りがうまく働く気がする。

でもこのプレゼンの準備を1時間ほど上司と行ったのだが、その進め方も日本とは全く違うスタイルでいい経験になった。

まず、実際プレゼンする資料については全然話し合いをしなかったこと。
僕から「まずこのスライドで・・・」と話を始めると、「詳細は任せてるからいいよ。それよりも全体の構成とプレゼンのスタイルを認識あわせしよう。」とのこと。

もちろんまずはAgenda、そしてKey Objectiveは何か、Key Messageは何に焦点を当てるのか。
その上で、後半のDiscussionのポイントを簡潔に絞り、最後のNext Stepsをどう用意するか。
日本人はとにかくまず当日のプレゼン資料の内容チェックから入りがちだが(ここで“てにをは”のチェックとかされると、思いっきり萎える)、「内容は任せた。で、全体の構成は?」と来られると、内容についての責任も改めて感じつつも鳥瞰的な視点を意識させてくれる気がする。

その後大枠を固めたあと上司から受けた話は、詳細な内容でも役割分担でもなかった。
おもむろにホワイトボードに円を描いて、縦横の線でそれを四等分し、「これが右脳と左脳とその上部と下部だ。左脳は論理的な数字や論拠に基づいた思考を司り、右脳はよりエモーショナルなひらめきを担当している。今回の出席者を脳の働きでみると、それぞれどの部分が突出していると思う?」と聞かれた。

つまり、出席者の思考系統にあわせて、それに適したプレゼンスタイルと資料準備があり、それは内容と同じくらい重要だということだったわけだ。
身振り手振りの方法、歩き方、声のトーン。
はたまたパワーポイントの見せ方、同時に紙の資料をどのように準備してどのタイミングで配るか。
そういうことを、おそらく心理学的な視点から捉えて実践しようというわけだ。

これには驚いた。
いや、内容そのものは正直聞きかじったこともあったのでそれほど驚かなかったが、それよりも驚いたのは上司であるフランス人の、こういった心理学やMBA的な学問に対する真摯な態度だ。
日本では、マーケティングにおいても、何かが起こった後に結果論的に「確かに最新のマーケティング理論によると、こういう傾向ははっきりと見て取れます。」と言うことはあるが、実際の業務やプロジェクトマネジメントに最新のフレームワークや理論を取り入れようとする姿勢は少ない。
むしろ、所詮机上の理論という思いが先行しがちだが、最近思うにこういう姿勢が欧米では少し違う。
もちろん、同じような反応は誰しも持っているが、とはいえ使ってみようという真摯な、愚直な姿勢もあるのだ。

別にこれは優劣の話をしたいわけではない。
どっちがいいとは言わないが、でもこの違いを肌で感じる日々は今後のビジネス人生にとっては有意義だなあと思った訳だ。

でも、ミーティングが終わった後にみんなが会うたびに、まずは"Congraturlations!"といって握手してくれるのは、日本よりもいいなあ。
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