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ジェネラリストとスペシャリスト [ちょっとまじめな話]

組織と人の話になると、必ず話題に上るこの話、果たしてジェネラリストとスペシャリストはどちらがいいのか?という疑問。

フランスで働くようになって、たびたび驚かされるのは、それぞれのマネージャーの自立性の高さだ。
世界的なグループ企業である一方で、今所属しているマーケティングに入社してくる人は別業界からが多く、意外にもグループ内部の異動というのは少ない。

当然グループ外から、しかも他業界(といっても同じ金融業界というケースがほとんどだが)から来る人にとっては、いきなりプロジェクトマネージャーとしていくつかのプロジェクトをまとめるようにと言われても、無理だろう・・・と思っていたのだが、そうでもない。
どう見ても情報量も業界経験もまだまだ全然不足しているはずなのに、入社して1ヶ月足らずで自分のProjectを役員や各国のメンバーの前でプレゼンする人も少なくない。

そこで当然わいてくる疑問は、「経験って何なんだろう?」というもの。
日本だと新しいポジションに人を探しているときは、まず経験が重要項目にあがるのだが、果たしてそれでいいのだろうか?
正直、今はっきりと思うのは、少なくとも企画系・戦略系の仕事であれば、経験よりも”素頭の良さ”が圧倒的に重要だと思う。

昨日オフィス内を歩いているときに思いついたのが、この素頭と経験の関係って「鳥人間コンテスト」に似てるなってこと。

鳥人間コンテストにおける、中の人(こぐ人)が経験で、機体自体が素頭の良さだと思うのだ。
つまり、中の人がいくらこぐ力があっても、機体自体がショボかったら全然距離がでない・・・どころか飛び立った瞬間にバラバラになって落ちることがままあるわけだ。
経験が企画系・戦略系の仕事で生かされるのは、あくまでちゃんと飛ぶ機体が前提としてあってのもので、そういう状況ならこぐことで飛距離を伸ばせるわけだ。

素頭は正直伸ばせる部分と適正があると思うが、適正がある人でも常に使い続けないと(機体をメンテナンスしないと)すぐにダメになるし、毎年毎年の鳥人間コンテストに向けて新しい機体を作り続けないと(インプットを増やさないと)参加資格も得られない。

マッキンゼーがコンサルタントの条件に経験ではなく優秀さをあげているのは理解できるところだ。

企画系・戦略系の仕事に取っての素頭の良さとは、情報を体系的に整理して論理的に物事を考えられる能力だと思う。
突然新しい業界、ミッション、課題を目の当たりにしたときに、取り組み方の道筋が見えるかどうか、そしてその道筋をシンプルにわかりやすく人に伝えられるかが何より重要。

それこそが付加価値であり、従業員→管理職→役員→経営者とランクが上がるにつけて、付加価値の占める割合はどんどん増してくる。
日々の実務についてみれば、社長よりも役員、役員よりも管理職、管理職よりも従業員、時には派遣社員の方が詳しいわけで、だからこそ上のランクの人には下の人と違う視点で物事を捉えて整理する視点、すなわち付加価値が必要になってくるわけだ。
その点だけをとると、フランスは日本よりも遙かに体系的。
部下ができること・するべきこと、と上司でないとできないこと・できることが明確に分かれていて、オーバーラップがない。
日本のような担当課長・担当部長という謎の役職はないのだ。

もちろん、これは職種や業界によって異なってくるので、経験が一番重要になるような仕事も多くある。
でも、そんな中でも、ポジションによって付加価値やできること・するべきことは明確に分かれているべきだと思う。

そう考えると、意識の上では、昨日していた仕事・今日する仕事・明日するであろう仕事は意識の上では連続していながらも決して円にはなってはいけないのだとおもう。
昨日よりも今日はほんのわずかな付加価値をつけて、明日はもうすこしという、螺旋の意識が重要なんだろうな。
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