SSブログ

何事も時には辛口を [仕事]

先週は久々にきつかった。
フランスではあり得ない、22時過ぎまで残業した日もあったし。
日本ではそれほど特別でもなかったけど、フランスでこれをやるのは結構怖い。
というのは、オフィスの中で完全に一人になるからだ。
夜の学校と同じく、誰もいないオフィスで一人仕事をするのは効率的な反面、ちょっと寂しいな。

忙しかった理由は、まさにキックオフしようとしているプロジェクトの準備が佳境を迎えているから。
各国をまとめるGroup Projectも、3つめを立ち上げるに当たってようやくその要諦がわかってきた。

現地でより実務的なプロジェクトを運営するのも決して簡単ではないが、こういうグループレベルでのProject Managementの難しさは、各国の多様性をいかに組み入れてどういう成果物を残すかという点、つまり事前の準備期間に相当試行錯誤することになることに起因する。

通常、問題解決型Projectは、

背景およぶ事実に基づいた課題の把握(課題認識)→仮説の策定およびその検証(市場分析、競合分析、将来的な収益見込みの推測含む)→実務面への落とし込み→オペレーショナルなProject Managementへ

という順序で考えていくわけだが、これが商品も違う、規制や税制も違う、チャネルも違う、各国での市場シェアも違うという10数カ国をまとめて一つの方向性を打ち出して、それをグループの指針にしていくのには全く違う順序を辿らざるを得ない。

まず何より違うのが、いわゆる現時点での詳細なデータやそれに基づいて立てた仮説の検証をするためのデータがそう簡単入手できないと言うこと。
当然細かいデータ、例えば顧客が商品を解約した際の理由別占率等、そういった詳細なデータになるとドイツの現地法人の代理店チャネルのそれがどうであるかなど、ドイツの実務担当者に聞かなければ把握できない。
しかしながら、グループのプロジェクトマネージャーといえども、何をするかを決まっていない段階で分析のためだけに各国の現業の時間を割いてデータ収集を依頼することは簡単ではない。

そうなると、まずは入手できる範囲の事実に基づいて、大枠としてのプロジェクトのコンセプトを各国の役員レベルに簡単に(パワーポイントならスライド数枚)で説明した上で合意を得て、Projectの開始および各国におけるメンバー選定を依頼し、その後各担当者に改めてコンセプトの説明と情報提供のためのテンプレートを送付という流れになる。
そして各国からの情報をまとめた上で、こちら側も業界内外の参考事例やグループ戦略やマーケティング理論から見たあるべき将来の姿を準備し、各国の参加者が参加するワークショップの開催となる。

各国の担当者へ情報提供のために送付する資料やメールを持って、彼らの視点からすると初めてProjectに触れるわけだが、このやりとりも相当気をつかう。

一番気をつかうのは、収集する情報の精度と各国の多様性を見過ごさないためのフレキシビリティの確保のバランスだ。
情報やデータの精度を詰めすぎると、各国にとっては言われたままに数字を埋めるだけの非生産的な仕事になるし、フレキシビリティを確保しすぎると集めた後に「で、何がしたいの?」という問題と格闘することになる。

ここで一番役に立つのは、やはりわかりやすいフレームワークの構築だ。
ぼんやりとしたコンセプトを、まずは要素に分解し、それぞれの要素をストーリーでつなげる。
つなげた後は、それを一発でビジュアル化できるようなイメージ図を作り上げ、以降そのイメージ図のどこの分でどのような情報が欲しいかを常に示しながらコミュニケーションをしていく。
この段階が最初のハードルだ。

これを超えると、少し楽になる。
後は、各個別要素ごとに各論を展開していけばいいからだ。
ただ、そこでも同じような考え方、つまり要素ごとに外観のイメージを定め、さらなる小要素へポイントを分類していくという作業になる。
ここでの問題は、どのレベルまで掘り下げるかということ。
それを決めるためには、常にProject全体のObjective(目的)が何か、そして今考えているポイントがどのように全体の目的に合致するのか、しないのかということを繰り返し自問していくこととなる。

そんなまさに立ち上げ時の産みの苦しみを味わいながら、毎日資料を数十枚作ってはその大半を捨て、また作っては捨てという作業を1週間繰り返してきた。
でも、こういった作業時に何よりモチベーションになるのは、上司の明確な指示だ。

実務に入り込んで、自分の考えを数十枚にまとめていったん作り上げると、心の奥底では少しスカッとしない部分があっても「まあ、悪くはないし。」という気分でそのままミーティングにいったりしてしまうのだが、そういった時は必ず上司から「この項目、今ここでプレゼンしてみて。」などと言われ、明瞭ではないプレゼンになってしまうと容赦なく「でしょ。このパートはやり直そう。」と言われる。
日本人同士だと、夜通しやってきた資料を見せられると「おお、がんばったね。」と言ってしまい(言うこと自体はもちろん悪くない)、その後の議論が多少甘めになってしまったりしやすいと思うのだが、そういうところがないのがむしろ心地いい。

休日まで費やした部分が一瞬に消え去ったとしても、「この部分のポイントはここだから、こんな風にした方がもっと伝わるんじゃないか?」と具体的に指示があると、モチベーションの低下にはならないし、むしろ「なるほどなぁ!」とやる気が出る。
こういうことがある度に、やっぱり上司は部下よりも優秀であるべきだし、物事を違う目線(マネジメントの目線)で見れないとダメだと痛感する。
日本企業はここが決定的に弱く、マネジメントリテラシーが欠如した管理職が多いのが喫緊の課題だろう。


話は変わって、辛口というと、パリにいると辛い料理への渇望も芽生えてくる。
フランス料理には辛いという味覚が無く、久々に刺激を求めてパリにあるタイ料理や中華料理のレストランに行ってみても、すっかりフランス化してしまった甘ったるい味にがっかりしてしまうことばかり。

しかし、ついに見つけました、本気で激辛の料理を出す湖南料理のお店。

DSC01391.JPG


L'Orient d'Or



実は2ヶ月ほど前まで同じ部署で働いていた中国人のスタージュ(インターン)に教えてもらった店だけど、彼女曰くパリで一番本場の味を食べれられるお店だそう。
既に3回ほど言ったのだが、確かにおいしいし、辛い料理はとことん辛い!!

昨日は超激辛のスープの中に魚の切り身が入った料理を頼んだのだが、これが信じられない辛さで、食ってる最中に既に意識が遠のくような気分だった。

それが、これ。

DSC01406.JPG

この牛モツの辛子炒めも辛い!

DSC01405.JPG

周りはほぼ全員中国人だったけど、みんな同じ料理を普通に会話しながら食べてるのがまたすごい。

そういえば、そのスタージュの彼女、インターンが終わる前に「大学出たらどこで働くの?」と聞いたら、「結局兄と一緒に洋服の店を起業することにしました。」とのこと。
何でも最近もパリに来ていろんなブランドから買い付けをしているらしい。

さすがパワーあるなあ・・・日本人もがんばらんと。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

接戦米国金融危機 ブログトップ
free counters

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。