SSブログ

迷走 [ちょっとまじめな話]

ひどい、あまりにひどい日本の政治事情。
パリからネットを通じてニュースを見ているが、ここに来てカオス極まれりといった印象だ。
政治家自身も悲しくなるほど「人物」がいないが、輪をかけてひどいのがマスコミの偏重報道。
全てのニュースが危険なほどバイアスがかかって報道されているような気がするのは僕だけだろうか。

今回の郵政問題にしても、任侠映画かと思うほど鳩山の「正義」という意味不明な大義名分に迎合するような向きがある気がするが、正直不良をヒーロー視しているようなドラマや映画と同じくらい不快感を感じるな。
確かに入札の経緯には大いに疑義を感じる部分はあるが、そうは言ってもこの手のデューデリはテレビで流せないような背景から理解しないとなかなか判断は難しいだろう。
例えばオリックスの入札額が、優良物件の世田谷のスポーツクラブを外した後に何故かあがっているというのを繰り返し不正の原因という様に報道しているように思うが、場合によっては全然おかしいことではない。
時価50億!なんて記事も見たがこれこそフローとストックの概念を混同している実にトリッキーな言い方だ。
たとえ時価で50億あろうと、こういう場合はまずキャッシュフローで議論するべき。
時価で50億あるのに既にキャッシュフローに問題があれば、それこそその時価が固定資産税としてマイナスファクターにしかならないからだ。
そして今キャッシュフローがプラスでも、将来的な地域の発展、それに伴うジム利用者の増減、事務の機器の減価償却費、債権債務関係、抵当権の順序・・・価格に影響する要素はあまりにも大きく、素人の外野が極めて表面的な見方で「なんか変じゃない!?」と言えるほど簡単じゃない。
これはよく言われる「国の借金が増え続けています!」という報道においても言えることなのだが、これもフローとストックの概念を混同しているケースが非常に多い。
ほとんどの場合に話題にされているのは国債の累積発行額であり、これはその年の財政収支が黒字に転換しない限り増え続けるのは当たり前。
問題はフローの赤字がどこまで縮小して、どの時点で黒字転換していくのかという点にあるのだが、それを見るとここ数年で30兆円から8兆円程度にまで縮小されている事がわかる。
そう言う意味では、不良債権処理の前倒しは一定の効果があったといってもいいと思う。
ただ、この簡単な概念を伝えるのに「プライマリーバランスの回復」という議員がいてそれをマスコミが「意味不明な言葉を使って庶民感覚からかけ離れた○○議員!」というワイドショーネタにしかしないから、結局本質が雲散霧消してしまうだけなのだろう。

かんぽの宿に話を戻しても、もちろんその評価方法にも問題はあるのだろうが、そもそもは本来業務ではない事に素人流儀で官僚が必要以上に手を出した事が問題。
それを一度は民営化という手法で荒療治することを国民に信を問うたのだから、多少は清濁併せ飲むという事も必要経費だろう。
決して不正を正当化する訳ではないが、一度決めたことを政局にするために「正義」や「カン」という極めて情緒的な理由で、問題はそれがもっとも大衆受けすることだが、中途半端に差し戻すことが本当に日本にとっての国益に繋がるのかどうかと言うことだ。
世界的な未曾有の金融危機の中で国際的な序列が変わろうとしている時に、そしてGDPベースでついに中国に抜かれようとしている経済環境の中で、果たして世田谷のスポーツクラブに引きずられて政権交代・・・そしてきっと迷走というこれ以上の政治的空白期間を作ってしまえば、確実に日本は浮上できないレベルまで国として負け沈んでしまうと危機感を感じずにはいられない。

自民党の若手議員が麻生太郎に大政奉還を迫ったという記事を今日見たが、政治家でありながらここまで言葉の本質を理解しないまま使っている無責任さを見ると、正直腹が立つなあ。
偉そうに歴史講釈をする気は無いが、大政奉還の本意は外圧によって初めて幕藩体制だった日本が日本国という国家観を持ち、国として一つになるべく勤王派と佐幕派方法が最小限の被害で理念を共有できる唯一無二の奇策だったはず。
それは決して内向的なことばかりに意識がいっていて、お互いに低レベルな自爆を繰り返す政党間の綱引きの安易な解決策(=国民への責任転嫁)ではないはずだ。
国を憂いた悲壮なまでの幕末志士の純度の高い覚悟をつまらない政局の小競り合いの場に軽々しく引き合いに出すべきではない。

ただ、一番心配なのは、「なぜ?」という基本的な問いかけを無くして安易で主観的な報道を繰り返すマスコミ。
先日の国会での補正予算審議も、「そもそも本予算でどういう予算案がどういう戦略の元に組まれて、補正予算の目的は何なのかな?」と思って軽くネット検索してみても、出てくるのは予算審議に絡んだショーもない自民党と民主党の子供のけんかのような記事ばかり。

派遣村や障害者郵便問題や郵政人事や・・・その他諸々の”政局の種”が矮小な問題だとは言わないが、本来もっとも日本人として危機感を持たなきゃいけないのは小さくだけニュースになった日本の石油ショック以来の貿易赤字転落というものだと思うのだが・・・・(つづく?)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Café Constantちび太の発熱 ブログトップ
free counters

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。