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Diversity [ちょっとまじめな話]

最近正直モチベーションのキープに悩んでいる。理由は主に2つ。
一つは、恐らく今年夏過ぎには次の赴任先へ行くために今の部署と仕事を離れることが確実なこと。
もう一つは、唯一の非フランス人仲間だったドイツ人女性の同僚が5月で辞めることになったため、約45人いる現在の部署の中で唯一の非フランス人になってしまうことだ。

一つ目に関しては、もちろん立つ鳥跡を濁さずと言うとおりだからこそ逆にキッチリ今担当しているプロジェクトを仕上げきらないとならないわけだが、人間正直言って終わりが分かっていると中々新たなチャレンジをする意欲がわかない。
フランスでの商習慣は日本と比べて属人的な部分が強いので、いくら僕が基礎を築いても次のプロジェクトマネージャーがその方向性を引き継いでくれるかというとそうではないケースの方が多いだろう。
最後までやりきる前に離れてしまってしっかりクロージングできないと分かっていると、プロジェクトの方向性を決めるための議論の中でも自然と覚悟が緩んでしまう。

二つ目については、パリに来た当初はむしろアウェーな環境になればなるほど燃える気持ちだったのだが、2年間どっぷりとフランス人の中での組織に浸かって2年前には見えなかった壁も具現化してきた。
ある意味それは2年間の実績によってより高いレベルでの仕事を与えてもらっているからなのかもしれないが、やはりフランスという個人的な繋がりが大切な国で重要な意志決定、つまりポリティカルな判断がより絡む場面に関われば関わるほど、ランチタイムやカフェタイムを利用してのアンオフィシャルな交渉事が重要になってくる。
そうすると自然周り全員がフランス人の環境だと、言語的なディスアドバンテージが立ちはだかってくる。
具体的に言うと、部門のミーティングの休憩時間に部屋の隅で2~3人のフランス人ディレクターが真剣にフランス語で議論をしている場面に割って入ってプロジェクトマネージャーとしての意見を失礼のない言い方で進言できるかどうかというようなことになる。
特にフランスを初めとした欧米の国は、自分が言葉を発することによって周りに気付いてもらうことによって初めて自分という人間を意識できるというメンタリティを持っている。
日本人の場合は、他人の思考や視線を通じて自分という存在を自己意識するメンタリティなので、沈黙は金なんて言うことわざもあるくらいなのだが、その日本人からすると時に滑稽なほど単純なことをオーバーリアクションで必死に伝えないと伝わらないことも多い。
一方で日本と同様かそれ以上に政治が重要な文化。これは結構ストレスがたまる。

なんだか愚痴っぽくなってしまったが、金融危機で金融業界全体が萎縮してしまっている今だからこそ、そして財務的にはグローバルな競争の中でうちのグループが優位性を確保できている今だからこそ、将来への人材投資としてもより多種多様な文化および人材交流をするべきだと思うのだ。

そんな中で来週月・火は半年に一度の10カ国以上の営業チャネルヘッドが集まるボードミーティング。
我々5人のチームにとっては最も大事な意志決定機関だ。
もしかするとグループ側の人間としての参加は最後になるかもしれないこのボードで国とポジションを越えた有意義な時間と議論を過ごしたい。
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