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Oriental or Occidental? [ちょっとまじめな話]

開催以来、ワールドカップ南アフリカ大会の試合を毎晩テレビで見ている。
有り難いことにフランスだとちょうどグループリーグの第三試合が夜8時半キックオフという絶妙な時間になるので、晩飯を食べた後ワインを飲みながらゆっくり見るのにちょうど良い。
正直個人的にはサッカーよりも断然野球派なのだが、やっぱり国を背負ったナショナルチーム同士の真剣勝負には興奮せざるを得ない。
まあだからこそ今回のフランスチームのようなことになるとサッカーに止まらずに国内問題化してしまう。

でもこうやって世界30カ国以上が一堂に会する世界的なイベントを見ていると、応援の仕方、サッカースタイル、チームワーク、個人のフィジカル、選手や監督とメディアのやり取り、試合後の報道の仕方と、とにかく十国十色といった様子がよく分かる。
職場でも常日頃文化の違いを目の当たりしてきたわけだが、ネットで面白いものを見つけたのでそれを使って洋の文化的な違いを思いつくままに書いてみたい。

ちなみに以下の絵はLiu Youngという中国生まれドイツ育ちの人が自分の感じたドイツ(青)と中国(赤)の文化の違いを表したアイコンらしい。
個人的には総合的に見ると日本人のメンタリティは中国よりもドイツに近いのではと思うのだが、どっちがどっちということよりもアイコンの対比が面白いので使わせてもらいます。

まずは、生活方式。
200802031746.jpg

これは、そのまま日本とフランスに置き換えられるかな。
プライベートでも仕事でも、日本人と比べてフランス人は圧倒的に個への依存が高い(あえて自立してるとか自主性があるとは言わない)。
これは欧米諸国一般に通ずるところがあると思うのだが、こちらでの「自己」は外向的に発信することで他人にその存在を気付かせるイメージなのに対し、日本人としての「自己」は他人が自分をどう見るかという視点を使って自分という人格の輪郭を投射するようなイメージだろうか。
Identityという英語とイコールな単語が日本語にないのは、それが一次的な観念ではないからなんじゃないだろうか。

次に、時間の感覚(正確さ)。
200802031747.jpg

これはフランスと日本だと完全に逆になるわな(笑)
3年前に今の職場に来たときはミーティングの開始時刻のいい加減さとそれ以前にその遂行率の低さ(5分前とかに余裕でOutlookの本文無しキャンセルメッセージが送られてくる)にストレスを感じてしまっていたが、今ではすっかり慣れてしまった。
でも、先日スイスとドイツの同僚と話していると、「期限を守る、ミーティングに遅れずに来るというのは時にミーティングそのものよりも重要なこと。」という点で意見が一致。
そういう規律が無意識の部分で効いているからこそ、ドイツもスイスも日本も車や時計ハイテク製品といった精緻な技術力を必要とする産業でアドバンテージを取って来れたんだろう。

そして、危機管理嗜好。
200802031751.jpg

正直これは文化的というより属人的な問題のような気がするな。
でも日本の現地法人にいる入社数年以内の若手社員と話をしてると、とにかくリスクを取りたくないという話を聞くことが多い。
毎日コツコツ同じことを続けていくことが将来へのステップに繋がる道とイコールでなくなった今のビジネス環境を感じると、現状に止まることが一番のリスクだという気持ちを持って欲しい。

次は2枚連続で食事関連を。まずは1日の3食。
200802031751-1.jpg

次に今トレンディな食事。
200802031752-3.jpg

これはまあ、ドイツと中国だったらそうなんだろうって感じやね。

最後に、順番待ちについて。
200802031748-2.jpg

これ、UKとドイツと東京は左だろうけど、フランスと関西は完璧右やわ(笑)
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LORO

はじめまして。

ブログを拝見して少し気になったので質問させてください。

あなたの言う“フランス人”は何を差していますか?
フランス国籍を持つ人ですか?

「そういう規律が無意識の部分で効いているからこそ、ドイツもスイスも日本も車や時計ハイテク製品といった精緻な技術力を必要とする産業でアドバンテージを取って来れたんだろう。」

って、この規律と車、時計、ハイテク製品の精緻な技術力の発展の因果関係はどこにあるのでしょうか。フランスは時計においても今の時計の礎となる技術を作りだしましたし、航空機、高速鉄道、原子力など高度な技術力をもっています。

少ない教養と限られたサンプルで一般化するのはあまりにも危険です。ブログに何を書くのも自由ですが、発言には責任があります。
by LORO (2010-06-27 17:45) 

TAKKUNN_S

初めまして。コメントありがとうございます。

まさにその”何を持ってフランス人というか”というのはこの国では凄く難しいテーマだと思います。
ルーツ、社会階級、教育背景に寄って全く個性が変わってきますし、逆に言うと移民を含めたその多様性がフランスの個性なのかもしれないと思います。

ハイテク製品云々については、商業面での成功を意図してというよりは製品の質のベンチマークが高いという点から受けた印象を記載しました。
航空機や高速鉄道や原子力といった社会的インフラに直結する産業と、個人の嗜好性の強い車、時計、ハイテク機器を直接比較するのは難しいのではないかと思います。
例えばフランスは電力の80%を原子力で賄っていますが、20%そこそこの日本にアルバにハード面でもソフト面でも対抗できる企業が複数あるのは、そしてフランス・日本の2カ国の企業群がこのエリアの世界的リーディングカンパニーの地位を気付いているのは、国としての原子力への後押しがフランスと比べると劣後する日本にしてみると、十分に評価に値することだと思っています。

そもそも元々がかなり強引にステレオタイプ化されたLiu Young氏のアイコンに基づいて書いてみたエントリーですので、同じレベルでのコメントだということはご理解頂きたいですし、Blogの少ない文章で全てを網羅した記事を書けるとも思っていません。

ただ、フランスでの滞在が終わりに近づくにつれて、ここでの経験をどう理解するか、そして今後日本でそれをどのように活かすかについては日々考えるところですので、改めてそれを考え直す良い機会を与えて頂きありがとうございました。

もしよろしければまたたまに覗いてみて下さい。
by TAKKUNN_S (2010-06-28 00:04) 

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