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Rational behind doing it in English! [仕事]

英語でいわゆる戦略企画系の仕事をしていると、何とも日本語に訳しづらい独特の言い回しに触れることが多い。
ドキュメント上でも知らないと「?」と止まってしまうのだが、これが電話会議などになるとさらに混乱を招きがち。
日本の場合は(今や日本だけといっても過言ではないが・・・)通訳を介することが多いのだが、それが逆に混乱を呼ぶ元になる事もままある。

例えばよく使うフレーズとして"Could you please elaborate the rational behind this initiative?"というのがあるが、このrational behind(理論的裏付け)を「この計画の背景を教えて頂けますか?」等と通訳してしまうと、年配の日本の役員などは得たりとばかりに「そもそも我が営業チャネルは1978年に○○との業務提携を機に発足しまして、以後□□マーケットの中核を担って今日に至っております。近年では・・・」と歴史の説明が始まってしまうことが結構ある。
相手側は今回の戦略を策定するに至までに、どのような分析、検証、テスト等などがあったのか、その論理的なストーリーラインを聞きたいのが、回答として時系列的・歴史的背景を答えてしまうというわけだ。
こういうのは慣れてしまえば何ともないのだが、いかんせん日本の商習慣の中で使う用語と、そもそもビジネスストラテジーとしてはオリジナルの英語のニュアンスが異なる(=ピッタリ相対する訳語)がないことが原因。
他にはValue Propositionだとか、KPI(Key Peformance Indicator)、Value for Moneyといった用語やNet earnings、Turnoverといったテクニカルタームも混乱の元になりがち。

フレーズや単語が元での誤解を避けたいのと、そもそも外資系企業であるが故に上に行けば行くほど日本人以外のマネジメント率が高くなる社内特性を踏まえて今悩ましいのは、日本に帰国後の自分のチーム内での言語をどうするかということ。
今の時点で考えているのは、チーム内および上層部に対するドキュメントは全て英語にするということ。
もちろん他部門が見る可能性のある資料については日本語だし、チームミーティングも会話は日本語にしたい。
これによるメリットは二つあると考えている。
一つは、フランス本社や社長以下のトップマネジメントと急遽ミーティングが生じた際に即座に対応できること。
もう一つは、母国語ではない英語で資料を作ることに寄る論理の簡素化と明確化だ。
特に二つ目は重要で、帰国子女でも何でもない(というか入社当時TOEIC390点という新卒最低点をたたき出したようなレベルだったわけだが)僕が経験を通じて思ったのは、苦手な英語で説明できないようなストーリーラインは実は日本語レベルでも十分自分で煮詰め切れていない、というのを痛感したからだ。
逆に言うと、十分に自分の中で消化して納得した提案であれば、拙い英語でも十分説明出来るということ。

しかし一方で、これが英語アレルギーを触発してチーム全体のパフォーマンスに影響を与えないかどうかを注意深く考える必要がある。
最近フランスのネット企業を買収した楽天が社内英語化を猛烈に推進していて今や社内の公用語を全て英語にし、日本人同士のミーティングも英語のみにしているそうだが、僕はこれには正直大反対だ。
一番の理由は、冒頭に書いたとおり英語の問題は言語そのものにあるのではなく、商習慣に因るところが大きいということ(英語圏の人間で戦略会議中に営業チャネルの歴史を質問する人はいない)。
なので、日本人だけの組織で日本人を上に据えたまま社内公用語を英語化すると、混乱が等比数列化していくリスクがある訳だ。
もう一つは、あまり一気に英語化へふりすぎると、いわゆる「英語は出来るけど仕事が出来ない(ひどい場合は英語以外に取り柄がない)」人が中途採用を含めて社内に跋扈し、それまで培ってきた企業競争力の基盤を弱める可能性が高いからだ。
実際楽天ではそういった兆候が散見されるとの話も聞く。

その一方で、今や国内社・外資を問わず、英語が出来ない・・・というより英語の情報に意識的に触れないだけで、ネット化が進む現在の社会環境だと最新の経済状況、マーケティング戦略、市場動向の90%以上に最初から触れる機会をギブアップしているのに等しい状況になる。
これは、例えば同業界で国際的に活躍している企業のアナリスト向けプレゼンテーション資料などを読む度に新たなフレームワークや発想のキーとなる指標を見つけられることでも明らか。
こういった話をするとよく「そんなハイレベルな情報を見ても、現場の仕事に即役立つものがあるわけでもないし、時間の無駄。そんな時間があったら目の前の業務に集中しろ。」と言う人も多いが、僕は少なくともイノベーティブな発想はそれ相応のインプットがあって初めて生まれるものだと思う。
人間は仕事がルーチンワーク化して新たなインプットがなくなると、自然と身体で覚えた動きをしてしまい、新たな発見をする確率は下がってしまうものだと思うからだ。

長々と書いてしまったが、要はもっと多くの情報にアクセスしてそれを楽しく有効活用しながらチーム全体でレベルアップしていければいいねってこと。
こういうことに頭を悩ませてる時間も、結構楽しい。
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コドモ

はろー。先週はお世話になりました。
コメント絶賛募集中っていってたので、書き込んでみる。

楽しかったし、最後のお肉はほんとおいしくて、
すっかり肉好きになって帰国しました。

サッカー、さぞや盛り上がってるかと思ったら、そっか。
日本で23時からだと、そっちは16時からになっちゃうんだね。
昨日は早々に街から人が消えたよ〜。
by コドモ (2010-06-30 16:50) 

TAKKUNN_S

こちらこそ、たいしたお構いも出来ませんで。
確かに最終日のステーキはうまかった!
赤身は赤身なりの美味しさがあるとわかりました。

ご主人とも色々ゆっくり話が出来て良かったです。
日本に帰ったら是非またステーキ(焼き肉?)でも行きましょう。

あと、たまにBlogへのコメントもよろしく!(笑)
by TAKKUNN_S (2010-07-01 06:49) 

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