SSブログ

Mon chef [仕事]

フランスと日本の職場環境の違い、最も顕著なのは管理職(こちらで言うディレクタークラス)のマネジメントに対する姿勢だろう。
日本では、高度成長期に長らく続いた終身雇用と年功序列の副作用として、現在の中間管理職層に“経営リテラシー”が決定的に欠如している。
つまり、誰もが退職までに少なくともマネージャークラスにはなれる可能性があり、多くの場合それは成果や能力ではなく入社年次により与えられる。
そういった、ただでさえ経営サイドの立場に立ったという自己意識が欠如している状況に加え、労働人口のいびつさから従業員の人口構成が完全な逆ピラミッドを描いているため、その結果としてマネージャーにはなったもののやっている仕事は部下とそれほど変わらない、いわゆるプレイングマネージャー(と言えばかっこいいが、実際は似非管理職と言った方が良い)が増加している。
そのような環境では、むしろ経営サイドの視点と責任、姿勢を求める方が酷と言えるかもしれない。
ただ、決して終身雇用と年功序列を否定しているわけではなく、高度成長期のような外的要因が極めてうまく回っていた頃には、一部の優秀な人材を抜擢するよりも全員が一律に昇進していけるという誰もがモチベーションを失わないですむ環境が極めて良好に作用したことも事実であり、間違いなく恩恵もあった。
ただ、そういった日本の教育でも特徴的な、下に合わせる政策のツケが今になってボディーブローのように効いていることもまた紛れもない事実だろう。
管理職なのに、会社全体の利益やビジネスモデルを俯瞰する能力、それ以前にそういった姿勢がなく、ひたすら自分の所属する組織の部分最適に走ってしまう・・・これでは次世代の経営者候補が枯渇するのも無理はないだろう。

その点、フランスは大きく異なる。
つまり、管理職以上に昇進していく人となれない人の区別がはっきりしているのだ。
日本と違って管理職になれない(ならない)ことは恥とみなされないし、周りがどうのこうの言わないこともあり、なれないならなれないなりに充実した会社生活を送ることも可能だ。

何より決定的に異なるのは、そういった環境の中でディレクタークラスになった人は、自分がディレクターであり経営サイドの人間であることをはっきりと自覚しているということ。
そして、自分の仕事は部下のモチベーションを高め、結果として組織全体の利益に繋がる職場環境を構築することだと理解していることにある。

日本で上司とミーティングした後に、逆に上司から否定的な発言や会社全体の利益を考えない極めて狭い視野のコメントを聞くにつれ、一気にモチベーションが下がった事は多々あったが、こちらではそれがない。
今日も直属のディレクターと担当しているProject について1時間半ほど1対1でミーティングをしたのだが、正直これまでの成果も感じながらも、達成度と次へのステップについて不安を感じている部分があった。
それが彼とのミーティングの中で、これまでの成果への評価と明確なNext Step を強い決意で示されたことで、これまでの悩みは吹き飛んだし、一気にまたモチベーションが上がるのを感じた。
もちろん彼の全てが素晴らしいわけではないが、少なくともミーティングをする度に一気にモチベーションを上げてくれる。
単に場を盛り上げるだけではなく、一見して物事の本質を見抜くセンスがあり、そして直接説明しなくともこれまで部下が達成したものの裏にある努力を察し、素直にそれを称賛する。
その上、次のステップを指示し、それが達成された暁にはチームや会社にとってどのような利益をもたらすかを熱意をもって語ってくれる。
これほど勇気づけられることはない。
自分も将来日本でチームを持つようになれば、この部分については素直にフランス人やイタリア人ディレクターを見習い、実践してみようと思う。

結局どんなに素晴らしい戦略があっても、どんなに素晴らしい商品&サービスがあっても、それを真に実行する現場の人間のモチベーションが低ければ決してうまくいくわけはないのだから。

ビジネスは、戦略×戦術×士気(モチベーション)×個人のスキルであり、掛け算ゆえにどれか一つがゼロだと全てゼロになってしまうということを忘れないようにしたいものだ。

ストーリーを考えるということ [仕事]

今の仕事で一番意識して、かつ苦労していること、それはストーリー作りだ。
基本的にフランスでの業務は調査系のProjectなのだが、30弱の国についてProject毎にいろいろな視点から調査・分析・サマリーを行うのだが、その結果から何を導き出すのかということが一番重要だと意識している。
各営業現場で起きていること、各国のグループ会社内で起きていること、各国市場で起きていること、点で集めたデータをいかに線にしていくか、Quantitative(定量的)なデータとQualitative(定性的)な情報において、それぞれいかに近似曲線を見つけ出し、数年先へその曲線を引きのばせるか、これが本当に悩ましい。
もちろん、どんなに情報を調べつくしたところで未来を正確に予想することはできないし、時に大きく見誤ることも常に起こりうる。
それは優秀な人材が膨大な労力と資金を費やして作成した、調査専門会社の10年前のレポートが如何に現時点とかけ離れているかを見ることで逆説的に知ることができる。

その中でも、自分がなしえたこれまでの成果物に対して、自分なりの視点から全体的な市場動向や将来予測を、ストーリーをもって上層部へ語らなければならない。

思うに、日本人はおそらくこういう作業が苦手だ。
いや、正確に言うと、過去のデータを極限まで精緻に丁寧に集めた上で、定量的な視点に立った将来予測を数学的に行うことには長けているのだが、定性的な情報を元にそれを行うことには慣れていないのではないかと思う。

常に、点と点の情報に触れたとき、これは仕事のみならず日常生活の中で新聞を読んだりテレビを見たりした時にも言えることなのだが、それぞれの情報を有機的につなげて考えるということは何より重要なのではないかと思う。
この、ストーリー作成という作業が日本人にとって苦手という以前に、文化的側面から見ても親和性が低かったことは、日本でストーリーと言えば起承転結が想起されることからも説明できるかもしれない。
起承転結というのは、これこそがストーリーであり、入社したばかりのころは仕事の文章の中でも常に起承転結を意識しなければならないと思っていた。
しかし、ある時気付いたのだが、起承転結という物語作成の中では一貫したストーリーは保たれないのだ。
つまり、物事が起こりそれが進展するまではいいのだが、その先の転で「ところで一方・・・」という視点の転換が行われる。
そして最後に結によって複数の事象が見事に結びつき、いわゆるオチを迎えるわけだ。
日本人としてはそのテンポの妙とオチの見事さに「うーん、なるほど」となるわけで、それは起承転結がよく4コマ漫画に例えられることからも理解できるのだが、それは日本語という修辞の言語の上にのみ成り立つ展開であり、全てがロジカルに語られる英語文化においては意味を成さない。
英語で物事を考えるとき、全ては演繹法か帰納法で積み上げた論理的根拠のあるストーリーで展開されることが必要であり、日本人がこれを普通に実践できるようになるにはかなり意識的に学び、日々繰り返し身につくまで考えるしか方法はないように思われる。

フランス人と同じポジションで仕事をしていると、彼らが常にストーリー性を重視して問題解決に取り組んでいることを感じる。
常々聞かれるのは、「個別事情を聞く前に、全体的なトレンドはどうなの?」「あなたのオーバービューは何なの?」ということだ。
日本人的には、シンプルに全体観を語る前に、「前提条件として、この国ではこういう特殊事情があり、このデータはこの部分が完全では無くて・・・」という説明をしがちなのだが、決まって「細かいことは別として、まずオーバービューは何なんだ」と水を差される。
日本人は木を見て森を見ず的なところが多分にあるが、こういうやり方も森を見て木を見ず的な間違いを犯すような気もする。
ただ、それぞれの木について既に知りえたことをクダクダ説明するよりも、完全ではない木のサンプルから森について語ろうとすることのほうが労力を要するのも事実であり、例え不確かでも、なんとか森についての概観を得ようとすることは頭を使うし、そこから派生する新たな仮説や視点も多い。

日本でも、自分が刺激を受けてきた人たちはみなそのような努力を、意識的無意識的に関わらず日常的にしてきた人が多いように思う。
常に目の前の事象を因数分解して、そこから最大公約数と最小公倍数を考え、解の公式から二字曲線を描いて、その曲線を微積分して接線の傾きを考え、それを伸ばしてみる・・・。情報をまとめてストーリー化するときには、文系ながらそんな数学の手順をなんとなく頭の片隅に思い描くことが多いのだが、数字と情報という対象物が変わるだけで、案外プロセスは変わらないのかもしれない。
ただ、一番の違いは、数字には客観的で絶対的な解があるが、情報にはそれがないということか。

前回のBlogが消えたことを踏まえ、仕事内容そのものに触れずに今の仕事の一部を書いてみたけど、まどろっこしい文章になったかも。
本当はガンガン実例をあげながら書きたいのだが、まあそれは今度皆さんと会った時の酒の肴ということで。

Presentation en francais [仕事]

今週は辛かった・・・とにかく痛いし。
ただ、痛みをおして出社して良かった!と思えることがあったので、それについて。

木曜日にランチから夜にかけて、マーケティング部門全体のミーティングがあったのだ。
マーケティング部門は総勢30人程度のそれほど大きくない所帯なのだが、各人が独立的にProject Management をしていることと、そもそもかなり業務量過多になってきているため、部門内での情報連携に対する満足度が低くなってきていた。
そのため、金曜のpetit déjeuner (朝食)をオフィスで食べるようにしたり、ディレクターと定期的に外でランチをするようにしたり、より職場環境の満足度を高めるための試みを始めている。
日本にいた時も職場の雰囲気向上や情報連携を密にすることは常に課題の一つであり、時間外にWork Group で検討したり、部門内ニュースレターを発行したりと色々やってきたが、当然「これさえやればOK」という方法はない。
個人のモチベーションと組織と会社戦略を相乗効果を高めながら達成するのは、それこそがマネジメントの一部といえるだろう。

前置きが長くなったが、木曜日の午後のミーティングもその一環で、それぞれが15分~30分程度を使って自分のProject の内容と成果を紹介するというものだった。
12:30から14:00までは社内にあるレストラン(これがまた敷地内にある由緒あるホテルの一室にあるのだが、内部の作りも調度品も素晴らしく、ここで食事できることだけで幸せになれる)でランチを一緒にとり、その後大会議室でプレゼンを行った。

プレゼンをフランス語でやるか英語でやるかは各人の自由なのだが、何せ30人強のうちノンフレンチは僕を含めて4人程度ということもあり、どうしてもフランス語中心となる。
でも、プレゼン資料は基本的に英語なので、何とか理解することは可能。

僕のプレゼンはたまたま一番最後だったのだが、思い切ってフランス語でやってみた。
もちろん前日に話すことは下書きしておいたのだが、

Aujourd'hui, je vousdrais vous presenter 2 projets.
L'un est ''XXXXX (プロジェクト名)" et l'autre est ''XXXXX (プロジェクト名)".
Cett apres-midi, je n'ai pas beaucoup de temps, donc je voudrais vous expliquer seulment methodologie.
Alors, le 1er projet.....

みたいな感じで、プレゼンの半分をできる限りフランス語でやってみたのだ。
結果的に、これが大ウケ。スタンディングオベーションを頂いてしまった。

僕の2時間ほど前にイギリス人のマネージャーがプレゼンをしたのだが、彼が始める前に同僚から「何語でやるの?フランス語希望!」といった声が上がったのだが、彼は苦笑いをして英語だけでプレゼンした。
その瞬間、「あ、これオイシイかも。」と思ったのは事実です、はい。

うれしかったのは、フランス語でやったということよりもこれまでの成果について評価してくれるコメントが多かったこと。
たくさんの同僚が握手をしに来てくれたし、翌日もメールで"Bravo!" と言ってもらった。
今前は同じチームの3~4人だけが知っていた進捗状況だが、これでマーケティング全体に共有され、おそらく僕が集めた情報や資料が他のProject でも有効活用されていくだろう。

ちなみに、まっさきにおめでとうを言ってくれ、翌日も席まで来てくれたのはまたもやイタリア人のDさん。
ビジネスマンとして優秀なのはもちろんなのだが、こういう気質が何とも気持ちがいいナイスガイだ。

その後、夜は全員でレストランへ。
事前に「サプライズがある」とは聞かされていたのだが、レストランに着くと食事の前にバーテンダーの指導を受けながらチームごとにオリジナルカクテルを作ってそれで優勝チームを決めるというゲームが始まった。
各テーブルにはシェイカーやジン、各種フルーツにシロップ、その他いろいろが用意されているのだが、カクテルなんて作ったことがないので戸惑ったが、なかなか楽しかった。
でも、フランス人ってやっぱり不器用かも。
フルーツを切るにしても、飾りつけをするにしても、結構手つきがおぼつかない。
同僚だけではなく、そもそも指導役のバーテンダーもイマイチだし。
やっぱり、オリガミで器用さを培った日本人は素晴らしいですな。

そんなカクテルコンテストが夜10時頃まで続いたところで、やっとテーブルに案内されディナータイムに。
毎回驚かされるが、夜10時半から牛フィレのステーキをガンガン食べるのは日本人にはちょっとヘビーすぎる。
で、デザートとカフェで満たされたところ、みんながかばんを持って席を立ち始めた。
そろそろ帰りたいな~と思っていたのでほっとして歩いていたら、「何カバンもってるのよ!今からダンスタイムよ!」との声。
えー、マジで。

突然めちゃくちゃセクシーなダンサーが隣の会場に現れ、サルサが始まった。
それを堪能した後、今度は全員で踊ってみることに。

これがきつかった。
踊れるかどうかという以前に、痛いっちゅーねん。
しかも、サルサって足腰の動きが肝心らしく、余計きつい。
必死に激しい部分をかわしながら、適当にステップを踏まざるを得なかったのは言うまでもないでしょう。

結局終わったのは夜12時半。
あまり飲みに行くという文化がない代わりに、ディナーに行けば行ったでヘトヘトになるのがフレンチスタイルか。

でも、こういうのも好きやわー。
次回は万全の体調で参加したいもんだ。

PowerPoint [仕事]

いつからだろう、こんなにもPowerPointを使うようになったのは。

思えば2000年に入社した頃は、営業だったこともあり、顧客への文書作成などでWordを使う機会も多かった。
それが、営業本部、マーケティングと部署を異動するにつれ、仕事で使うアプリケーションとしてはどんどんPowerPoint の頻度が高まっていった。
もちろん、定量データの収集分析のみならず定性データのテンプレートとしてもExcel の使用頻度は変わらないけど。

で、このPowerPoint、Word と決定的に違う点は、美的感覚が必要になるという点。
プレゼン資料を作るという作業は論文的な書面作成とは一線を隔すものだ。

色使い、図形の選択、配置の妙、フォント・・・そういう基本的な要素を明瞭的確かつ美しく魅せるということが必要になってくる。

このPowerPoint の使い方については、自分で言うのもなんだが一家言があるのだ。
これまで試行錯誤を重ねた結果、プレゼン資料作成においては自分ルール、良く言うならば美学ともいえるものがある。
もちろんスライドの作成以前にレポートとしての論理構成やフレームワークこそが大事なわけだが、それらを踏まえた上で明確な自分ルールがあるのだ。
そしてそれは一つのサマリーを作るごとに進化させている。

いつも考えるのは、時間の限られた役員がパラパラとみてもスーッと頭に入ってくるような視覚要素と、誰が見ても「あ、これはあいつが作ったな」と思えるデザイン的な特徴、統一感をもたせるということだ。
そういうことを考えながらこの5年ほど数百にわたる資料作成をしてきたわけだが、たまに昔の資料を適当に開いてみると、当時の自分の価値観やセンスが思い出されて恥ずかしくもあり懐かしい気もする。
競合他社分析資料、市場分析資料、ビジネスプロセスの改善、業務フロー、アンケート分析、各種スコアリング、商品分析、シックスシグマ、RFP、プロジェクトステータスレポート・・・思えば調査系プロジェクト、企画立案、オペレーショナルプロジェクト、顧客向けプレゼン資料、等々さまざまなビジネスシーンに応じて膨大な資料作成をしてきたもんだ。
また、常に英語と日本語という2ヵ国での資料作成を望むと望まざると対応してきたことにより、それぞれの言語に応じた勘どころもわかるようになってきた。

そんなPowerPoint がOffice2007になって結構パワーアップしている。
職場のPCはまだ2003なのだが、早く2007にアップグレードされないかな。
まあ、メニュー形式からリボン形式になったことや、そもそもベースとなる拡張子が違ったりするので(下位互換形式も使えるけど)、当面は難しいと思うけど、なんとか早期導入をお願いしたいものだ。

あ、Microsoft といえば、3月19日にWindows Vista Service Pack1 がリリースされたので、近いうちにインストールしてみようかな。

ことば コトバ 言葉 [仕事]

今日からうちのチームに中国人のインターンの女の子が6ヶ月の期間で加わることとなった。
これで僕が唯一のアジア人ではなくなった。
もちろん、正社員としては未だ唯一のアジア人なわけだが。

で、同僚のフランス人やアイルランド人、スペイン人を誘ってランチ。
大体こんな場面になると、「言葉」の話題になる。

日本語とはどのような言葉なのか、中国語は?
こちらに来て改めて感じることは、日本語は他言語とのリンクがない独立した言語であるということ。
もちろん、漢字のルーツは中国であり、文字を持たなかった古代日本語を中国から輸入した漢字をあてることによって文章化したわけだが、その後の進化を経て、今はいくつかの漢字がたまたま中国語と同じ形をとどめているにすぎない。

ひらがな、カタカナ、漢字そしてローマ字も使える文字の多様性のある日本語は、やはり表現力に優れた言葉、エモーショナルな言語ではないかと思う。
でも、未だにうまく英語で説明できないのが、日本語特有の主語の省略について。
もっとも印象的な例が「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。」という夏目漱石の坊ちゃんの書き出しだと思うのだが、この文には英語でいうI、フランス語のJeが省略されているということをうまく伝えられないものだろうか。

しかし、一方で修辞の言語である日本語に最も欠けているのが論理的な文章構造、ロジカルさである。
これはネイティブイングリッシュスピーカーとテレコンをしたりすると非常によくわかる。
やっぱり特にアメリカ人。
彼らの英語はロジックであり、その英語を使って考え、話す彼らのポイントは「如何にロジカルか」という部分に凝縮される。
ここがフランス人とは違う。
ただ、逆に論理破綻をつかれないように、こちらの質問を先に想定して反論を受けないような言い回しをしたがる人も多く、意外とひとつの発言が長かったりもするけど。

でも、言語が変われど、人と人というところは同じ。
一緒にランチすればおいしいし、その後のカフェでも会話は弾む。仕事もしかり。
うーん、異文化コミュニケーションって、いいですな。

明日からは、朝出社したら

おはようござまいます! (少し日本語のわかるフランス人がいるので)
Bonjour!
Good morning!
Hola!(スペイン)
Ciao!(イタリア)
你好!

おお、6回言うことになるのか。

次に加わる言語は、果たして・・・


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

お国柄 [仕事]

今週はキツかった。
月曜日はそれほどでもなかったものの、火曜日からは担当しているProjectで1日2カ国ずつテレコンを実施。
時差の関係もあって、朝8時からアジア・パシフィックの国と、午後はヨーロッパの国といった感じで実施した。

日本にいたころは、資料作成での読み書きはしょっちゅうしていたが、英語を話すといっても限られたミーティングの中でのみだったわけだが、それがいきなり各国とみっちり1時間ずつ、しかも電話でやらなければならなくなった。
しかも、こちら側は僕一人で、相手は複数。
また、Projectのサポートとしてインドのコンサル会社に入ってもらっているため、常にインドとパリと対象国の3ヵ国テレコンとなる。
これがまた大変で、というのも聞いたことがある人ならよく分かると思うが、インド人の英語はイントネーションがむちゃくちゃ独特なのだ。
正直、慣れないと何言ってるのか全然分からない。

そのため、オーストラリアなどのネイティブスピーカーの国とテレコンしていると、インドとオーストラリア側でやり取りがあり、「では最終的にはどうしようか?」とプロジェクトマネージャーである僕に判断が任されるわけだが、正直何回かは(やべ、、、既に2分前くらいからついていけてないんですけど、、、)という感じだった。

ヨーロッパ各国などお互い英語が母国語ではない国とのやり取りであれば、何とかテレコンをリードしていくことが出来るようになってきた。
でも、本当に出来るか出来ないかの加減ギリギリで低空飛行しながら何とか仕事をこなしているという毎日なので、いつ地面と接触事故を起こしてしまうかと思うとすごくプレッシャーがかかっている。

そして、今日は4時間に及ぶ各国とのボードミーティング。
今回はビデオカンファレンスとなってしまったが、うちのチーム5人と各国のマネジメントを繋いでの各プロジェクト報告やいくつかの意思決定を行った。

これが結構お国柄が表れて面白い。

例えば、ドイツはマネジメントがスタッフを引き連れて、時間前には完全にスタンバイしている。
スイスも時間前に準備完了。
ちなみに、各国からはこちらの映像のみ見れているはずだが、パリ側からは大きなスクリーンを画面分割して複数の国の映像を把握できる。

一方で、イタリアとスペインは結局開始して20分くらいしてから参加。
しかもスペインは会議中に別の話をしているのが流れてくるなど、いかにも南欧のラテン系のノリだ。

香港はアジアの成長著しい国々を束ねているだけあって、臆することなく発言してくる。
この辺が日本人との違いだよなあ・・・。

後は、フランスとイギリスがパリの同じ部屋に直接同席して参加し、アメリカは時差の関係で朝4時前にも関わらずきっちり参加してプレゼンも一部行ってくれた。
一方出身国の日本は今回は欠席。
うーん、これは非常に残念。

と、あたかも観察する余裕があったかのように書いては見たが、ミーティング中は各Projectの報告と議論を把握することで精一杯。

そして、僕が担当するProjectの番になったが、基本的には上司がプレゼンテーターとなるのでメモを取りながら聞いていたが、なぜか「じゃあ彼から説明してもらうよ」といきなりサプライズだ。

まだ着任して1ヶ月で、必死に分からないながら取りまとめたProjectで、しかも肝心のエグゼクティブサマリーは未完。
そもそもProject自体、各部門から「うわー、ご愁傷様」と言われる程複雑に各要素が絡み合ったものでもある。
それに加えて、そもそも話す相手は各国のトップエグゼクティブクラスだ。
日本でいた時でも、自分の部門役員と直接話す機会はそれほど多くなかったのに、何だこの環境の差は!?

ただ、ここまで状況が極まると、逆に何だか緊張しなかったな。
後で振り返ってみると、ちょっと言い方の一部が偉そうだったかも・・・と少し赤面の思いだったが、まあ最初ということで許してもらえる・・・と信じよう。

でも、つくづく思ったのは、環境が変われば変わるもんだということ。
日本にいた時は商品開発系Projectの事務局の一人に過ぎなかったのに、1ヶ月たった今グループ全体のProjectのプロジェクトマネージャーとして各国の役員の前でプレゼンしている。
ダーウィンの進化論しかりで、成長(進化)って環境の激変に対応するための突然変異の繰り返しというのは、種としての進化にも個人としての成長にも共通しているのかもしれない。
そして、それはある意味来週以降より深いレベルに入っていく現在担当しているProjectの分析フレームワークにもつ変えるかもしれないな・・・これについてはちょっと週末に仮説を絵にしてみようっと。

とはいえ、進化どころかまだまだ環境変化で絶滅寸前の微生物に過ぎない。
今はミジンコだが、何とか原始的な脊椎動物にたどり着かなければ。
ああ、早く人間になりたい・・・。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

Chef de Projet [仕事]

今日はちょっと真面目な話を。

パリに来て働き始めてから、クリスマスと正月を挟みつつも今日でちょうど1ヵ月目を迎えた。
最初の1週間はまさに何がなんやらわからないままに過ぎたが、やっと慣れつつある感じだ。
でも、実際はいきなり待った無しの業務量が来たので、のんびりしている時間は全くない。

でも、今週ちょっと(かなり?)うれしい出来事があった。

そもそも、今の業務が何をしているかというと、世界中の販売チャネルについての調査、レポート作成という仕事だ。
その中で現在プロジェクトマネージャーとして担当しているのは、各国の各販売チャネルの報酬制度の分析を行うProjectと、世界中の過去10年強に及ぶ販売チャネル構成の変遷を調べるというProjetだ。
・・・うーん、やっぱりこういうタイトルって日本語で書くとなんだかしまらない。
英語だとさもそれっぽくピシっというタイトル付けになっているのだが、まあ仕事内容に直結するので書きたい気持ちはありつつも当たり障りのない部分のみ紹介したい。

僕自身、当然ながらこれほどまでにグローバルなProjectの取りまとめをしたことはないので一概に言えないが、今まで考えてきたタスクの手順としては以下の通り。

1.Projectの定義・目的・スコープ・成果物・マイルストーン・組織を書き起こし、チャーターにまとめる。

2.各エンティティ(現地のグループ会社)に対して、Kick-offをアナウンスする

3.同時に、最初のフェイズにおいてどのような情報が必要かを精査し、自分で公的機関などから入手できる情報と、各国に依頼する情報を切り分け、データ収集のテンプレートを作成する
※もちろん、定量情報と定性情報はきっちりと区別し、異なったテンプレートを用意する
※この時点で、いくつかの仮定を想定した上で、それぞれに対して最大公約数的に利用できるようなフォーマットを考えることが必要。これをせずにフォームを作ると、結局情報収集後にエクセルデータのレイアウト変更やら情報の集めなおしやらで膨大な無駄な時間を使ってしまいかねない

4.まずは出来る限り自分で調べた上で各国に送付し、電話会議でヒアリングを行う
※何故 give and take が take and give と言わないのかを理解することが必要

5.各国から集まった情報を元に、一番効果的な分析フレームワークの構築を行う
※実際にはエクセルとパワーポイントを用いてレポートのフレームワークをガシガシ作っていく作業が中心。でも僕のやり方としては、その前にA4用紙(ベストは方眼紙!)を1枚のスライドと見立て、サインペンでグイグイレポートのラフ案をスケッチしてく。やっぱり書いて捨てて書き直して、というアナログ作業が一番脳にビシビシ伝わるし。

6.ここまでできたら、あとは“頭をフル回転させる流れ作業”にてデータをどんどんレポートに落とし込んで、まとめていく
※必ず気をつけるのが、ロジカルかつ読む人に事前知識を強いらない構成と、意味のあるグラフ・チャート・配色である。なぜ横棒グラフに折れ線グラフを重ねた構成をしているのか、どうしてこの要素は赤色なのか、レポート全体を明確に支配する統一された定義付けがなければならない。それが保てないのであれば、太字にしたり斜体にしたり着色したりしてはならない。

7.エグゼクティブサマリーとして3-5枚を作成し、ドラフト完成

8.ドラフトをもって情報提供者とフィードバックミーティングを行い、ブラッシュアップ、そして完成へ

以上が僕が調査系Projectを運営する際の流れである。
全部当たり前のことかもしれないが、自分の中の絶対原則をこうやって公開するのはちょっと気が引ける。
もちろん、オペレーション系Projectや戦略立案系Projectは各タスクと進め方は全く異なる。

でも、自分の中でこういった作業の流れを定義付けておくことは非常に大事だ。
そうすることで、失敗した場合の反省点、リカバリープランを学ぶことができる。

で、今回もこの1ヵ月で忠実に上記を実施して、今週そのドラフトレポートを上司へ報告した。
上司はちょうどクリスマス前から休暇に入っており、休暇前には「これまずは今あるデータだけでいいからまとめてみてくれ」という指示を受けていたのだが、休暇明けにいきなり100ページ近いProjectサマリーを作成してプレゼンして見たわけだ。

その反応は・・・かなり驚いた様子。
「これ6日で仕上げたのか!?」と何度も聞かれた。

確かに、指示を受けてからの営業日は6日だ。
でも、そこはジャパニーズ、クリスマスと正月と土日を含めると、丸々2週間はあった。
もちろんそれは話していないけど。

というのも、半年前に異動が決まってから、最初の1ヵ月をいかに駆け抜けるかだけを思い描き、準備を重ねてきたのだ。
もちろん、初めての海外生活で、子供も小さくて、移住の手続きなども山積していて、年末年始で・・・と自己弁護するに十分な状況はあったわけだが、でも最初の1ヵ月で失敗するようなことがあればその後に評価を得ることがいかに難しいかを何度も考えてきたつもりだ。

で、そのドラフトをチームメンバーにもメールして帰宅した翌朝・・・昨日までと接し方が全然違う。
まだまだ対等に認められるには程遠いが、「悪い奴じゃないけど、一体何しに来たんだろう?」という感じから、「お、ちょっとはやるやん」という感じに昇格できた気がする。

こういう瞬間って、人生でも一番うれしい瞬間だ。
なんかこう、じんわりと鳥肌が立つというか。

でも、まだまだマーケティングにいる他のProject Manager達には及ばないと実感している。
日々この1年間に25人程の彼らが作り上げたレポートを読んで参考にしているが、どれも日本では考えられな完成度だ。
何よりすごいのが、このマーケティングチームが発足したのは1年前だということ。
つまり、グループ全体を調査するマーケティングチームが必要だという認識が経営層からなされ、各国から選抜隊が送り込まれて1年間で相当量の実績を上げたわけだ。
これは、ランチで社内の他部署の人と食事に行くと、いかにマーケティングチームが一目おかれているかというのを肌で感じる。

もちろん、上記の話と僕の現状は全く当てはまっていない。
いろいろな人の縁で、たまたまこのチームで働く機会を得られたにすぎない。
ましてや、語学面でのディスアドバンテージも大きい。

そういう意味で、毎日毎日がプレッシャーとの戦いだが、でもこれを3年続けていければ、きっと色々な事を学べると思うと、グーっとモチベーションが上がってくるのを感じる。

人生、いろいろ経験するに越したことはないからね。
だから濱中もオリックスでがんばれ!(結局オチはそこかい)


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

Cet semain va finir [仕事]

ついにいろいろと戸惑っているうちに働き始めて最初の1週間が終わろうとしている。

前回Blogを更新してから、木曜日も今日金曜日もチームでのミーティングが行われたが、ついに最初から100%フランス語になった。
結局英語だったのは第1回目の最初の5分くらいだけだった。
昨日今日の話題はProjectの詳細な内容というよりは来週チームで行うプレゼンテーションの資料(資料は英語)に沿った内容確認なので、30%程度の理解力ながらついていけるが、これからProjectの詳細に入って行った時がこのままでは心配だ。
もちろん、その時にはチームメンバーにも英語をお願いするが、僕自身も相当フランス語スキルを磨かないとだめだ。
でも、こういう切羽詰まった必要性に駆られると、なんとくなく勉強するのとは雲泥の差で覚えるだろうから、人生にとってもまたとないいい機会だと思う。

言葉と同時に驚いたのが、Global Marketingのメンバーひとりひとりのスキルの高さだ。
木曜日にあった世界各国のCEOが集まる会議の資料が昨日から回覧されているが、ブランドマネジメント、ディストリビューションの各種分析、様々なプレゼン資料の完成度が想像以上に高い。
世界に十万単位で働いている従業員のうち、Global Marketingで働いているのは25人程度と聞かされて改めて驚いたが、そういう意味でも少数精鋭の組織なのだろう。

で、じゃあ僕はというと、おそらく他のメンバーからは“金融後進国の日本から来た、フランス語は勿論英語もそれほど喋れるわけではない奴”っていうポジショニングになっているのは間違いない。
ここからある程度認めてもらうのは相当大変だろう。
今までの人生でも、スタート地点的には一番きつい。

でも、今は不安よりも毎日毎日読みふけっている世界各国の資料が興味深くてしかたない。
ああ、日本でマーケティングしてる時に、こんな資料があれば!!と思うものが実の多く、だからこそこれからまとめていくProjectは各国のマーケティングチームにとっても有益になるようなMethodologyで、かつDiscloseしていかなければならないだろう。

そのあたりは週末にでもゆっくり考えてみよう。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

travailler, travailler, travailler... [仕事]

昨日初出社を果たし、今日は2日目を終えた。
感想としては・・・いきなり切羽詰ってる感じ。

初日は朝一通り挨拶回りをしたのだが、日本人にとってヨーロッパの人の名前って本当に覚えにくい!
特に口頭だけで自己紹介されると、間違いなく5秒後には忘れてる。
というか、聞き取れないケースも多いし、聞き取れたとしてもスペルがわからん。

なので、20人以上挨拶したはずなのに、5人くらいしか分かりません(涙
今朝も、名前でBonjour!って言ってくれるけど、こっちは名前を返せないし、困った。

で、仕事の方はというと、月曜日の午前中にパワーポイントで250枚以上の資料を渡され、それに基づいて夜コンサル会社と打ち合わせするという、初日からいきなりハードな展開に。

担当するProjectは僕の到着1ヶ月半前に開始されており、その調査資料を一気に引き継がれた感じだ。
しかも、僕一人が入ったためにミーティングがフランス語から英語になり、コンサル会社の人に明らかに嫌な顔されてしまった。
でも結局1/3くらいはフランス語で、やっぱりある程度フランス語も話せないと仕事にならないと痛感。

ミーティングの終りに、「では、Next stepは?」と聞くと、「私たちの契約は新しいマネージャーが到着するまでなので、基本的にはこれで終了です。今後のことはまさにあなたが決めることですよ。ただ、これまでの調査で不足してる部分もあるから、まずは各国とヒアリングセッションを行ってください。」とのこと。

その場ではお礼を述べた上で冷静に振る舞ってみたが、内心かなり焦ってた、というか焦ってる。

そして明後日からはグループレベルでのミーティングに、金曜日からはもう一つ担当するProjectのスタートと、幸か不幸かしばらくはゆっくりできそうにない。

英語もまだまだだし、かなり辛い部分はあるが、それでもやること自体(Projectの内容)には無茶苦茶興味があるので、楽しみだ。
さっそく明日は、今後増える各国への出張のためにトラベルエージェントに登録をしなければ。

若いうちの苦労は買ってでもしろって言うので、ものすごい円安ユーロ高の中、頑張って買ってみます。


脱企業内企画系ニート [仕事]

最近も引き続き仕事でやることはいっぱいあるのだが、どれもが役員向けプレゼン資料作成や社内のProject Management業務だ。
それはそれで時にとても大変でエネルギーの要る仕事なのだが、言ってしまうとすべて内向きの仕事。
やっぱりよりエンドユーザーに近い人と直接触れ合うことこそが醍醐味ではないだろうか。

ある程度ビジネスフレームワークや物事への考え方・取り組み方が自己研鑽とOJTのおかげで身についてきたように思うが、いくら論理的で説得力のある資料を作れても、Projectの中の利益相反をどんなにうまく解決できても、いまいち充足感に欠ける。
既に商品開発部門に3年以上身を置いているが、業界全体に大きなパラダイムシフトが起こっており、会社としての戦略論を考えると商品はその一部であり、一つの商品の中だけでどれだけValueを高めても、それ以外のマーケティングミックスや会社戦略が伴わなければブレイクスルーはできないのを感じ始めているからかもしれない。

業績指標、人事制度、組織体制、販売チャネル、商品戦略(価格面含む)、広告戦略、そして、その下部に来る各個別Projectのビジョン共有と、そのProjectに係るメンバーのSkill、そしてモチベーション。
会社組織が前に進むための力学は上記の要素の掛け算であり、掛け算ゆえにどれか一つがゼロであれば全部ゼロになってしまう。

この意見に対して、全否定する人は少ないだろう。
でも、じゃあそれが全員でできているかというと、できていない。
できていないどころか、個別の業務の中ではそもそも会社の存在目的でもある「顧客へのより良いサービスの提供」という観点からすると逆行するような議論になるケースも散見される。
企業活動とは、まさにこういった総論賛成各論反対が常に内在する世界なのだろう。

組織は中途半端に大きくなると、成果を出すという組織の存在意義に逆行して組織自体が目的化してしまう傾向がある。
ちょうど今世界陸上で日本男子の400メートルリレーのニュースが流れたが、これを参考にすると分かりやすい。
400メートルリレーでは、一番の肝となるのはバトンの受け渡しだ。
早いチームはどんな受け渡しをしているかというと、バトンを受け渡せる10メートル程のエリアを最大限に有効活用している。
つまり、前の走者が近付いてきたころに既に次の走者はスタートを切り、お互いのトップスピードでバトンをやり取りするのだ。
その結果、400メートルリレーのタイムは一人一人の100メートル走のタイムの和を上回る。

この、バトンの受け渡しのエリアの融通が組織の中でも非常に重要ではないだろうか。
つまり、あまりプロセスなどをガチガチに固めてしまうと、前の走者(部署)が既にすぐ後ろに来ているのに次の走者(別の部署)は「まだ必要な書類が整備されていない」「全関係者のサインオフが終わっていない」というような理由で、バトン受け渡しのためのエリアの最後尾で棒立ちしているといったことが起こりえる。
そうすると、当然全員がトータルタイムの短縮という目標を共有して、時には異なる部署間でお互いの業務の一部を自発的にやり取りしている競合他社にスピードで勝れるはずもない。
もちろん、あまりゆるすぎると全体のリソースやコスト管理が大きく支障をきたすため、このあたりのバランスは難しいところだろう。

どの組織にも少なからずそういった問題が内在しているわけで、てっとり早くそれを乗り越える方法は、企画から営業まで、とりあえず自分が全部やることだ。
実際に、去年末から今年の夏前まで取り組んでいた業務では、まさにそれを実行できた。
最終的に重要顧客からパートナーとして選定してもらえたわけだが、その時にプレゼンをしたのは必ずしも新しくてイノベーティブな商品ではなく、数年前からある商品に違う角度から光を当ててみたものだった。
もちろん、商品以外の上記に挙げたような各項目も統一感を持って提案したからこそ、必ずしも商品だけの先進性が取り沙汰されることを防げたわけだ。

その時は達成感があったし、また、その頃プレゼンに回った顧客企業の方ともかなり親交が深まったのが何よりうれしく、自分の財産にもなっている。
やっぱり、中にこもってデスクワークだけに埋もれてしまうのではなく(もちろんそこをちゃんとやることが前提だが)、自分で現場を見て・聞いて・歩いてしなければ、企業内企画系ニートになってしまうな。

ここ2カ月ほどちょっと引き籠り気味だったので、今月からは意識的に外に行くようにしよう。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

引き算の競争戦略 [仕事]

どうも先週水曜日あたりから調子が上がらない。
部署的にも仕事的にも「すんません、今日ちょっとやる気が出ません」と言ってる場合ではないのだが、数週間前の激変のあおりが来ているのか、なかなか「よっっしゃ、やったるでぇ!」という気分にあがってこない。

その理由の一つに、数週間前と状況が変わって、社内的で内向きな仕事の占率が高まってきたことがある。
つい最近までは強制的に社外のビジネスパートナーとの定例ミーティングがあったため、それが一種のカンフル剤になっていたのだが、最近はちょっとひきこもり気味。

ひきこもり気味のせいか、今から取り掛かるProjectで少し妥協をしてしまった。
マーケティングという営業成績を取ってくる部署ではない以上、常に発言と行動にはValueを持たせなければならないと常に考えているが、そこからしても少し後悔する部分がある。
そもそも、何か新しいことをやろうとした場合に、利害関係者が一堂に会して議論をした結果、全員が納得できるような結論を出したところでそれは市場から見て革新的なものであるはずがない。
多数決は合意形成をするには王道なわけだが、「民主主義は最悪の政体である。ただしこれまで試されたあらゆる政治形態を別にすれば」というチャーチルの名言がずしりと響く。
政治とビジネスは全く違うが、最大公約数を探るような手法の中からは真のマーケティングは生まれないのだ。

最近常に意識しているのは、引き算のマーケティング、引き算の競争戦略である。
後発企業として先発企業の牙城を崩すには、先発企業と同じような全方位戦略を取っていたのでは、そもそも資本の差で絶対に勝てない。
後発が逆転を生むためには、リーダー企業が競争優位の源泉だと感じている要素を勇気をもって排除し、そもそも競争のルールを変えてしまうことが必要。
それと同時に、マイナスした分のエネルギーを何に注ぐかを意思決定する必要がある。
例えば、初代iPodはバッテリーの持ち時間とソフトウェアによる収入を捨てた代わりに斬新なデザインとiTunesを基盤としたインフラ戦略に成功したし、かつての富士写真フィルムは社名ごと富士フィルムとしてデジタルカメラに押されている銀塩フィルムに頼らない新たな事業構造を構築しているし、エーザイはチョコラBBの開発にあたり"20~30代の働く女性層"以外のターゲットを切り捨て、男性的なイメージ戦略を前面に出していた大正製薬のリポビタンDが追随しづらい状況を生み出した。
また、正直あまり好きな本&言い回しではないが、巷に出回っているブルーオーシャン戦略も「付け加える・取り除く・増やす・減らす」といったマトリックス理論だ。

長らくプロダクトアウトによるセリングの結果を積み重ねてきた金融業界にとっては、引き算するときに最も影響を受けがちなのは、営業部門だ。
マーケティング的な発想でPointedな商品・サービスは、当然従来の伝統的なそれとは大きく異なる。
課せられた営業予算がある中で、そんなチャレンジができるのかどうかは、まさに営業部門としては死活問題になるわけだ。
ただ、だからといって今の売れ筋商品の延長線上にあるものをいつまでも作っているようでは、座して死を待つにも等しい。
常にこういったせめぎあいが、実にDiplomaticで面白くもあり、大変な部分でもある。

それに輪をかけて複雑なのが、外資系企業ならではの多国籍組織であるということ。
部門の利害に国別の考え方が交錯し、合理形成を得難い場面にもよく出くわす。
いやまてよ、お互いが最も合理的な結論を探った結果、最終的な結論は最も合理的なものにはならないというのは、まさに大学で専攻したゲーム理論そのものじゃないですか。
例えば、関税なんていい例で、そもそも自由貿易の観点に立てば関税なんて無い方がいいに決まっている。
ただ、お互いが「もし自国だけ関税を撤廃して相手国が関税を課税してきたら、自国にとって極めて損失が大きくなる」という心理から、お互いが適度な税率を設けてしまうという、まさに囚人のジレンマなわけだ。

囚人といっても別に牢獄にいるような労働環境でもないが、明日からはもう少し模範囚になるべくセルフモチベーションを高めて、少しでもスムーズな出所(パリへの異動)が達成できるように頑張ろう。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

家に帰るまでが遠足です [仕事]

今日はある重要ディストリビューターとミーティングをしたのだが、会社人生の中でも3本の指に入る交渉の難しさを感じた。
Projectの大きさ、当局と規制緩和の動向の不明瞭さ、競合の激しさ、ディストリビューターのバイイングパワーの大きさによる交渉力の強さ、社内余力の脆弱さ・・・どこかのタスクがweak linkなのではなく、唯一つでも失敗するとすべてが連鎖的に壊れる危うさの中での交渉である。
これはきつい。

アメリカの航空業界の大手企業がとったハブアンドスポーク戦略のすべてのスポークが先細っているようなイメージを頭の中で描きながら話をしていた。

そして、なんとか交渉を終えてからは帰社してレポートの作成、既存業務の遂行、新商品開発ProjectのKick-offの準備。
気付けば消灯時間を大幅に過ぎる残業・・・。

綿矢りさの『蹴りたい背中』的に言うと、
「私は辞めるけど、自分の仕事には最後まで責任を持ちますよ、というスタンス。みんなはその気概を逆に最終出社日まで出来る限りのことをしてもらおうってそんな目で見てるかもしれませんが、それはどうぞお構いなく、私はそんな思いも知った上でやり遂げますよ、そんなスタンス。」って感じか。

・・・すんません、『蹴りたい背中』は最初の数ページを本屋で立ち読みしたことしかありません。
でも、「・・・、そんなスタンス。」って書き出しだけは結構印象的に残っているな。

って、そんな場合じゃなく、本当に最終出社日は迫っているのに、逓増していく業務はこれ何なんだ。
でも、negativeな辞め方ではないので、それをこなすさまを周りに見てもらうことで、それも一つの引き継ぎになればな~なんて気楽に考えていたりもする。
仕事そのものだけではなく、それに取り組む姿勢を最後まで見せたいというのは、これまでの自分の過程へのリスペクトでもある。

とは言っても、買いだめしている読みたい本は読みたいし、次の会社と業界についての勉強もしたいし、むちゃくちゃ可愛くなってきた子供とは遊びたいし、妻ともゆっくり話したいし・・・こりゃ一日30時間になっても足りまへんな。

そんな思いをよそに、時間は進むし、ビジネスも進むし、子供も成長するし、阪神はやっぱりソフトバンクに負けちゃった。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

転職 [仕事]

ここしばらくBlogを書けずにいた理由。
それは、転職を決意し、退職願を会社に提出したからだ。

2000年4月に今の会社へ新卒として入社し、営業、営業本部を経て入社時からやりたかったマーケティング・商品開発部門で約3年を過ごした。
その間に内勤社員労働組合の財政長を務めるなど、本当にロイヤリティをもって、会社を辞めるなど想像だにせずにここまで7年過ごしてきたが、一瞬、たった一瞬だけロイヤリティが途切れてしまった気がした。
以前ロイヤリティとは恋愛感情のようなもの、と書いたが、まさにそうだと思う。
好きだと想って、相手も想ってくれていると感じるうちは何の疑問も感じないが、一度心が離れてしまって、「あ、もうお互い以前のように想い合うことは無理だな」と感じてしまうと、もう元には戻れない。
ただし、だからといってあっさり別れることができるかというと、それはまた別問題だ。
それに、会社へのロイヤリティに疑問を持っても、仕事への情熱は別で、それはこのBlogを書いている今でも失われたわけでは無い。

4/24に次の会社にオファーレターをもらってからというもの、これまでの人生で経験した事のないような2週間を過ごした。
正直、オファーレターをもらった段階ではまだまだ今の会社に想いがあったため、オファーレターの内容説明を受けている時間ですら、背徳感や罪悪感を感じて背中に冷や汗をかいていた。
しかし、この書類を受け取るに至るまで面接などを受けてしまった以上、ある意味もう後には戻れない気持ちと、本当の意味での結論を期限である5営業日以内に出さなくてはいけない緊張感がどっと押し寄せてきた。
しかも、たまたま妻と息子は妻の両親に連れられて4日程韓国旅行へ旅立って、家に帰っても一人。
その日はフラっと入った浅草の鮨屋で一人で飲み、次の日も限界を超えるぐらい飲んで、4/26早朝に退職願を書き、そのまま上司のアメリカ人へ朝一番で提出した。

自分で言うのもなんだが、職場に恵まれたおかげで今の会社では本社部門の誰からも知られるような存在であり、しかも丁度大きなProjectをまさにLaunchしたばかりということもあり、なぜこのタイミングで辞めるのか、なかなか理解してもらえなかった。

その後GW中に部門ヘッドのフランス人役員とも1時間以上にわたって二人で話をしたが、そこでも同じ質問を受けた。

なぜ辞めるのか?
社内の人脈もあり、これまでの評価も良く、業界内でのパイプもあり、これからの組織でもますます輝けるポジションがあるのに、なぜ。

今でもこの質問には回答をしづらいが、一つとなると、"知的好奇心を抑えられないから"。
つまり、次の会社、仕事、業界を「ああ、面白そうだな」「知ってみたいな」「この中でどれほどやれるかな」と思ってしまったからだ。
というコメントからもわかる通り、実は次の業界は金融業界でもない、全く別の業界。
あまり今は詳しく書けないが、ある産業に集中化しているコンサル会社だ。

恐らく、今の知識やこれまでの経験の大半は直接的には全く役に立たないだろう。
ただ、Project ManagementやMarketing業務の中で培った、そしてこれまで仕事外の時間を利用してたゆまず自己研鑽をしてきた、Project ManagementノウハウやMarketing的発想、そして何より一番重要視している論理的思考、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングのフレームワークはきっと何かの役に立つのでは、と思う。
あと、何より楽しみにしているのは、そういった理論・知識を超えて大事にしてきた、チームビルディングの実践だ。
明るく楽しいが、知的で業務遂行能力の高いチームを、チームメンバーと真摯に向き合って作っていきたい。
関西人としては根幹にあるのは健全な"笑い"の要素であると思うが、それをどの段階でどこまで出すかが、次の会社に入ってからの舵取りの難しさだろう。

と、ここまで完全に転職決意後の気持ちで書いてきたが、最後の最後、GW明けに再度最終的な退職願を提出するまでの約2週間は、正直地獄だった。
朝も、昼も、夜も、全く食欲がなく、寝ていても夜中にうなされて目が覚めてしまう。
これまでお世話になった方々を裏切る形になる罪悪感と、これまでこの業界で得てきたものを諦めて一旦捨てる勇気と、次の業界・会社に対する不安が入り混じって、まさにカオスな精神状態が続き、体重も4キロ程減ってしまった。

でも、最後の最後悩みぬ抜いた後に退職願を出してからは、晴やかな気持ちになれた。
ただ、今の職場や仕事に不満を抱いたまま辞めていくネガティブな退職ではないため、最終出社日までは今の仕事に引き続き情熱をもって取り組んでいきたい。
実際、先週土日も家で仕事してたし。

これまでお世話になった方には先週順次挨拶をしたが、来週以降は社内の中でも認知され、色々な方と色々な話をすることになるだろう。
その時に、決して話す相手のモチベーションを下げるような話をしないことを心掛けたい。
既に話をしたすべての部署から、送別会の連絡を頂いており、本当にこれまでお世話になった方々への感謝の念は尽きない。

そんな方のためにも、家族のためにも、自分のためにも、前向きにチャレンジングに、そしてちょっとストイックに新しい世界に挑んでみたい。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

Everything must go [仕事]

23時前、プレミアムモルツを飲みながら---

今日は、いい日だ。
と言っても何か新しいことがあったりしたわけではない。
むしろ、朝8時から社外のミーティングでスタートするという、ちょいキツめな一日。
でも、それはそれで楽しかった。

8時の社外のミーティングから、終了後すぐに会社に戻って12時までの間、全て外国の方とのミーティングだった。
社内の外国人は多少気楽だが、違う会社の外国人3人に囲まれてのミーティングは中々エキサイティングだった。
まあ、ミーティングといっても情報交換が主目的であったため、何か意思決定をしたり議事録を残す必要があったわけではないため、その点は気楽だったが。
朝一から4時間ぶっ通しで英語だけを話していた後のランチタイムに社内の日本語ペラペラのアメリカ人上司とランチに行ったのだが、そこで話す日本語が異常に違和感があった。

そして、今日の午後。
1枚のProject Charterを書き上げた。
それは、昨年末からほぼ一人で取り組んできた、顧客企業とグループ会社を合わせると全部で5社を巻き込んだ壮大なProjectのCharterである。
ちなみに、Project Charterとは、Projectの背景、目的、スコープ、成果物、マイルストーン、財務インパクト、リスク、おもな便益、ビジネスケース、等をシンプルにまとめた資料を指す。

書き出してから書き上げるまで、おそらく1時間程度だったと思うが、その間全く手を止めず、静かにそしてよどみなく書き上げた。
それは完成したジグソーパズルを壊す映像を逆回転したような、無意識の中の意識で書き上げたような時間だった。
書き上げた後一読した感想は、なんてきれいなチャーターなんだ、ということ。
非常にシンプルな一枚にしながらも、一言一句、句読点に至るまで意味があり、無駄のない一枚。
そこには一点の濁りもなく、自分が書いた全ての内容について、そこから派生する質問であっても3世代程離れていたとしても、数値を含めて完全に即答できると言い切れる内容であった。
ここに至るまで、このProjectを濁らせる大津波は何度も来たものの、結局何にも汚されず澄んだままの状態でたどり着くことができた。
きっと多くの人は一瞥して「ああ、わかりやすいね、なるほどね」ぐらいにしか思わないだろうけど、見る人が見ればその背景にある情報量、努力、思いの丈を感じてもらえるに違いない。
この会社に入って、営業、営業推進、商品開発を経験したこの7年間は、全てこの1枚を書き上げるために過ごした時間だったとすら思う。

それを極めて静かに、小川のせせらぎに笹舟を浮かべるかのごとく思いで数十人の関係者宛に送付した。

ただ、このProjectおよびそれに基づくこのCharterには、万感の思いを込めた近い将来の成功への道のりと共に、今の社内の方針に対する強烈なアンチテーゼを行間に忍ばせていることに気付く人は少ないかもしれない。

具体的に言うと、このProjectは新たに創造される市場に出現する大きなBusiness Opportunityを獲得するためのもであるが、そのために使う商品・スキームは今ありものの商品・スキームであるという点だ。
以前にも書いたが、いまだにプロダクトアウトの考え方が蔓延している金融業界の特に営業部門は、常に新しい商品、他社に数値的に負けない商品、他社に無い商品を強く要望してくるが、今回主導したこのProjectで最初で最大のコンペに勝ち残れたこのプランは、今ありものの商品をいかに見せ方を変えてバリューを出すかを実現させたものだからだ。

これこそ、マーケティング的な付加価値であり、プロダクトサイクルの延命とプロダクトミックスの実現を同時に満たす唯一で必殺のプランだったと信じている。

そして、きっと社外の戦略コンサルティング会社を使ったとしても、ここにたどり着くことはできなかっただろうと確信している。
なぜなら、「究極の当事者意識」はお金では買えないからだ。
それを持てるのは、批判的合理的な自己分析に基づく自己研鑽と、それを取り囲んでくれた社内の人々に対する謙譲と感謝の気持ちであり、それは会社へのロイヤリティーであるとも言える。

ロイヤリティー。
この恋愛感情にも似た気持ちは、恋愛と同じくどんなに論理的に分析しても要素をドキュメント化できるものではない。
そして、恋愛と同じような感覚だからこそ、一度すれ違ってしまった気持ちはなかなか元には戻らない。
一度お互いの線分がねじれの位置になってしまった後は、おそらく決して交わらないのだろうが、でもそこには言葉に表せない情という感覚は残っている。

これから、このCharterに沿って20代最後のProjectをまさに進めていく局面にある。
ここに至らせてくれた過去に感謝をする一方で、もしかすればこの業界で携わる最後の仕事になるかもしれない。
そんな万感の思いを持って、取り組もう。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

自分のスケール [仕事]

前回の修復インストールの件、結果的には大成功だった。
途中一回デバイスのインストール画面でTVキャプチャーボードのMTVX2004絡みのエラーが出てUSBキーボードとマウスの入力が一切きかなくなって焦ったが、使っていないPS/2キーボードを接続しなおしてリセットしたところ、その後はスムーズにインストールできた。
インストール後は起動してもエラーは出ず、シャットダウンも正常にできるようになった。
正直、修復インストールしても無駄かな・・・と思っていただけに、直ったことが逆に驚きだった。
ただ、そのせいで新たなHDD購入計画が頓挫してしまったのだけが心残りだ。

さて、今日は仕事関係の話で。

今日、非常に重要なミーティングがあった。
それは、先日グループレベルでとある業界他社を買収したのだが、その会社で新しく開発する商品のプロジェクトマネージャ-にアサインされ、約20名を集めてKick-offミーティングを行うというものだった。
相手からすると、買収された会社の人間から突然招集がかかり、しかもプロジェクトマネージャーとして来たのは自分より若い人間。
心情を察するに、当然穏やかではないだろう。

そこでまず重視したのは、今回開発を行うに至った経緯・プロセスの共有化だ。
この商品開発については、これまでうちの社内で自分ひとりで市場調査・顧客訪問・社内情報共有作業を経て、その結果プレゼンしたプランを、とある優良顧客にコンペの結果選定されたことがトリガーである。
一番手っ取り早いのは、今後1週間・1か月というマイルストーンで求められる成果物を示し、一刻も早くProjectをスタートさせることだが、「これをやることは決まっている」「いつまでに完成させなければならない」「そのためには各自このような業務が必要」というような演繹的で一方通行な情報伝達だけは避けたかった。
実現に至ったプロセスを同じ目線で共有するということは、チームビルディングを行う上でも非常に重要なことだと思う。

そして、もう一つ重要なことは、プロジェクトマネージャーがしっかりとした自分の物差し、スケールを持つこと。
Projectが走りだすと、実にいろいろな課題や障害が発生するが、その時に判断を下す人間の尺度がブレてはいけない。
そして同時に、その自分の物差しの1㎝を世の中の1㎝に近づけていかなければならない。
いくら自分の物差しを持っていても、自分の1㎝が世の中の5㎝であれば、それは物差しとしての存在意義を持たないからだ。

そして本当の世の中の1㎝を知るために必要なのは、情報収集活動以外には無い。
その業界のポイントとなる数字を覚え、競合他社の動きを自分の目で確かめ、Projectにかかわる人間と最大限face-to-faceで説明を行うことが重要だ。
ただし、大事なことは自分の1㎝を世の中の1㎝に究極的に近づけることではない。
最低限必要ななことは、桁間違いをしないということに尽きると思う。
つまり、世の中の1㎜や10㎝を自分の1㎝と思わないようにすることが大切だ。
±50%の誤差であれば最悪なんとかリカバーできるが、一桁見誤るともうそれはリカバー不可能だ。

なんだか抽象的な話に終始してしまったが、そのうち色々と実例を書いてみたいと思う。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

プロダクトアウト [仕事]

最近、家電業界が揺れている。
特に顕著なのは、大型液晶テレビやプラズマテレビの急激な価格下落だ。
サムスン・LG電子を中心とした韓国企業の台頭をはじめとして、急激なグローバリゼーションの波が押し寄せているのがその一因だ。
消費者にとってはうれしい限りだが、これまで家電や半導体技術で世界をリードしてきた日本の自負心を察すると、あまりいい気持ちがするものではない。

しかし、技術的に最先端を行っていた日本が、どうしてここまでたやすくシェアを奪われてしまうのだろう?
おそらくそれは、デジタル化の副作用なのではないかと思う。
デジタルによって非常にクリアな映像技術が実現できた反面、デジタルはアナログと違って設計通りに作っていればそれほど製品に大きな違いは出ない。
今までのアナログ家電は、いわば職人の微妙なチューニングが製品全体の品質を保っていたのではないだろうか。

さて、金融業界はどうだろう。
もちろん、金融商品には家電と違って形がない。
ただ、セールスプロセスやセールススキームには目には見えないが、れっきとした型が存在すると思う。
これまで、ほんの5年ほど前までは、家電業界よろしく営業担当者の職人的なセールスアプローチである程度ニッチ市場は押えることができた。
ただ、昨今のIT化の波が押し寄せた結果、そういった家内制手工業のような属人的なカスタマイズは、今やオフィスソフトや専用ツールを使えばだれでもできるようになってきたのが現状だ。

それでも護送船団でここまで来た金融機関は、なかなか自らの殻を破れない。
他社との差別化や、カスタマーニーズに応えるという大義名分の下、結果的にはより複雑で顧客にとって分かりづらい商品を次々開発するという負のスパイラルに陥ってしまった。
まさに、マーケットインではなくプロダクトアウトで突き進むという過ちを犯してしまったのではないだろうか。

そういったツケが今年初頭から一気に降りかかっているのが、現状だと思う。
それは、銀行も損保も生保もすべて同じ。
問題の枝葉は違うが、根っこの部分はそれほど違いはない。

今後は、より一層、というか真の意味での"顧客視点"をどこまで本気で体現できるかに業界全体の真価が問われてくると思う。
うちの会社のような外資系の場合、短期的な利益につながらないようなCost Projectはなかなか承認を得づらいという部分はあるが、商品開発担当者として短期的な視点にとらわれずに中長期を見据えて行きたいものだ。

いよいよ来週早々から、昨年末からサラリーマン人生を賭けて実施してきたProjectが動き出すこともあり、そんな思いを胸に進めていきたい。

その一方で、別の選択肢もかなり色濃くなってきてはいるわけだが・・・。
ほんと、モチベーションを高く維持するのって難しい。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

休日出勤 [仕事]

今日は久しぶりの休日出勤。
休日に仕事をすることは多いが、いつも持ち帰って自宅でやるため、出社するのは珍しい。
今日の仕事はどうしても社内のホストシステムを参照しなければならなかったため、やむを得ず出社。
といっても、単純なルーチンワークだったが(でも、そういうほうが余計疲れたりする)。

外国人の役員も来ていたが、驚いたのはその服装。
3月末といってもまだまだ肌寒い日が続いているが、そんな中で半そで半ズボンにサンダルだった。
聞くと、日本に赴任して以来、冬も私服はその格好なのだそう。
確かに観光地周辺では、真冬でも半ズボンの外国人(アメリカ人が多い)をよく見かけるが、感熱機能がアジア人とは違うのだろうか?

でも、移ろいゆく四季に合わせて衣替えをしていくというのも日本人にとって大事なイベントであり、例え寒さを我慢出来たとしても一年中同じ服というのは嫌だな。

と、季節のことを書いたが、会社帰りに気づくとすでに桜が満開に近かった。
今年は何だか桜の開花を意識しないままだったなあ。
毎年この時期に桜を見ると、一年という時間の長さをすごくリアルに感じる。
一年の中でたった1週間しか美しい状態を見れず、人生の中で多くても80回程度しか体験できないわけだ。
そのうちの1回もまた過ぎて行くんだな~と思うと、散りゆく桜と共にもののあわれを感じる今日この頃だ。

来年の桜の時期には、7月に生まれる二人目も大きくなって、きっと賑やかになっていることだろう。
楽しみだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

徒然なるままに [仕事]

ここ最近、業界全体を揺るがす大津波(しかも2発)のおかげで、会社の通常業務は完全に吹っ飛んでしまっている。
当局から言われて会社の営業を事実上ストップしてその対応に当たるなんて、まあ金融業界ならではだろう。
適切な第三者機関による介入と見るか、必要以上の法規制と見るかはわからないが、まあどちらにしても本業をまともにこなせてない時点で全くもって情けない話だ。

で、通常業務は吹っ飛んではいるものの、しかかり中の巨大Projectは粛々と進めている。
進めているのだが、なんだか気分が乗りきらないのだ。
今までならこみあげてくる高揚感のようなテンションがあったのだが、最近それが無い。
もっと言うと、会社へのロイヤリティがかなり下がっている気がする。

原因の一つは、今回の大津波が起きた時の役員クラスの対応。
完全に逃げ腰で、中には手のひらを返すように本当に別の国に異動が決まった外国人役員までいる。
タイミングがたまたま一致しただけかもしれないが、あまりの迅速な異動に「この大変な時期に(大変だからこそか)イチヌケですか?」と勘繰りたくなる。

別の原因は、人材の流出が止まらないこと。
親しかった人がどんどん去っていくのを見ていると、過疎化する村に取り残されるようななんともいえない寂しさを感じる。

そんなテンションになっている時に限って、新しいポジションや職責を打診されるとは皮肉なものだ。
もちろん人が減っていることもあるが、半年~1年前であれば、いや1~2か月前でもテンション激上がりのような条件だが、今は素直に喜べない。
もちろん、会社にいる限りは全力を尽くすことに何の迷いもないが、限界ギリギリまで自分を追い込んででもやっていけるかというと、うーん、どうだろう。
そんなこともあり、ビジネス雑誌からのインタビューを受けたが記事に名前は伏せてもらった。

複数の選択肢をいろいろと考えているのも事実で、おそらく1か月以内には結論が出ると思うが、さてどうなることやら。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

高熱 [仕事]

木曜日のBlogに体調が悪いと書いたが、金曜日に朝起きると完全に風邪をこじらせた感じになってしまっていた。
頭はガンガンするし、関節の節々は痛いし、もう最悪。
でも、どうしても出社してまとめなければいけない会議と資料があったので、必死に会社までたどり着いた。

そんな日に限って、もともとやらなければならなかった仕事が軽く吹っ飛ぶ程の業界を震撼させる出来事が降りかかる。
分野的には守備範囲外ではあるが、そんなことは関係なく情報収集と対応に追われた。
まあ、全くの寝耳に水というわけではなく、そのうち起きると言われていたことではあるが。

もともとやらなければならなかった仕事の方は、木曜日のBlogに書いた難関顧客からの採用通知に関して詳細に社内展開を行い、その後社長から直々にねぎらいの電話を受けた。
思ってもみなかったことでびっくりしたが、こういう短い電話一本が本当にモチベーションにつながるんだよな。

そんなバタバタした時間を過ごすにつれて、体調はさらに悪化して我慢できなくなり、ついに社会人人生初めて医務室を訪れた。
熱を計ると、38度5分。
そらしんどいはずやわ・・・。

本来ならすぐに帰りたいところであったが、残務処理をどうしてもしなければならなかったので結局朦朧とした意識の中で6時頃まで仕事をして帰宅した。
体調がさらに悪化した感じがしたので、きっと39度近くあっただろう。
個人的には結構熱への耐性が高い方ではないかと思う。

で、こういう高熱が出た時にはいつも決まった方法で直すことにしている。
それは、とにかく寝ること。
しかしただ寝るのではなく、大量に服を着込んだうえで(上着トレーナー3枚、フリースズボン2枚 等)、水を大量に飲んで寝るのだ。
そうして寝汗をかきまくれば、次の朝にはたいていスッキリしている。

今回も、その方法を実行して8時前に就寝。
途中12時、3時頃に起きた時にはまだ熱も高くフラフラだったが、翌朝9時には何とか回復できた。
この方法の唯一の弱点は、寝すぎて逆に頭がボーっとすることだ。
ボーっとするので、今日も早く寝ることにしよう。

月曜日からまたカオス的に大変になりそうやし。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

玄関を抜けると、そこは雪国(PC部屋)であった [仕事]

最近Blogの更新がちょっと滞り気味。
その理由は、PC部屋が寒いから。
引越した新しいマンションは、玄関を入って右がPC部屋、左がリビング方向となっており、今エアコンはリビングにしか着けていない。
つまり、家の中で一番熱源から遠い位置にあるのが、我がPC部屋だというわけだ。
うー、さみ。

そして今日は朝から体調が非常に悪かった。
熱はないのだが、倦怠感と軽い頭痛が続き、何故か異様に眠い。
昨日朝4時起きでゴルフに行ったせいだろうか・・・。

そんな中、仕事では非常にいいことがあった。
年明けからひたすら働いていた大きなProjectについて、一番の難関顧客から採用(ほぼ)決定の通知を受けたのだ。
OKならOKで、週明け早々にもLaunchに向けたWorking Groupが会社を超えて立ち上がるため、ここからが本番といった感じだが、まずは一安心だ。
聞けば20%程度の合格率だったとのことで、うちは特段政治力を活用したわけでもないことを考えると、なかなか厳しい競争だったわけだ。

これでゆっくりセリーグの開幕戦を気分よく見られるというもの。
今年の阪神は投手は井川が抜けた穴をどうやってやりくりするかがカギだが、野手は絶好調の鳥谷、復調の兆しの見える濱中、いよいよ大化けしそうな林と好材料揃いだ。

今シーズンは、ぜひ3試合は球場に足を運びたいなあ。
チケット持ってる人、ぜひぜひ誘って下さい!


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

キツイ・・・ [仕事]

今日は朝からひたすら、会議→プレゼン→外出→役員とのミーティング→資料作成→ミーティング→明日の準備・・・と休む間もない。
間もない、という言い方をしたのはまだ持ち帰って仕事をしてるから。

今日は朝食抜きで出社してランチを食べる時間が全く取れず、気づくと夜11時に帰宅してから食べた夕飯が本日最初の固形物だった。
そしてそこから速攻シャワーを浴びて資料作成。
やっとひとつ区切りがついて、今から別の資料作成をするつもりだ。

既に時刻は深夜2時。
朝までには少しでも寝れるといいけど・・・。

まあ、ここから最低2週間は土日なくこのペースの仕事量が続くだろう。
ただ、この2週間に正直サラリーマン人生を賭けているので、モチベーションは激高だ。
こういった、“ゾーンに入ってる”間にどこまでできるかがAB型人間の真価を問われる瞬間ではないだろうか。
2週間後に生きてるか死んでるかは、乞うご期待。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

赤壁に燃ゆ [仕事]

今日は朝9:00から重要な会議続き。
その中で、2時間ほど社外の人とミーティングをしたのだが、久々に衝撃を受けた。

ミーティングの内容はもちろん書けないが、相手は誰でも知っている大手金融機関の戦略企画部門の人だ。
ミーティング自体は1時間半だったが、その内容の濃さ、そして何よりのその人の“木も見て森も見る”状況把握力、それに基づいて語られるロジカルな戦略に、ただただ圧倒された。

どちらかと言うとプレゼンをするのはこちら側で、資料準備した上で僕なりに他の金融機関では受けの良かった論点を展開したつもりだ。
傍目にはある程度イーブンにディベートしているように見えたかもしれないが、正直後半40分くらいは、議論を交わしつつもその人のオーラ(もっと言うと、その人の口から語られる一言一句の価値)に心酔してしまった。
同時に、おそらく僕よりも7~8歳上だと思われるが、自分が7~8年後にその高みに届けるのかと言うことを考え、なんだか分からないが背筋が凍る思いがした。
同時に、ここ数年、業務知識と業界知識、そしてアカデミカルな理論をできる限り研鑽してきたつもりであるが、それをもってしても圧倒的に超えられない壁を見せ付けられた気がして、悔しさがこみあげてきた。

ああ、こういう人が業界の根幹に座って、個社そして業界そして法規制を通じて国家政策に関わるところまで動かしているのかと思うと、改めて日本の大手金融機関の巨大さ、化け物さ加減を感じずに入られなかった。

おそらく、最近読んだ下記の本で筆者が感じた思いと同じものだったのだろう。

金融マーケティングとは何か これがプロの戦略だ!

金融マーケティングとは何か これがプロの戦略だ!

  • 作者: 広瀬 康令
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 新書

今日は夕方に業界の会合があったのだが、懇親会も一次会で切り上げ、速攻家に帰って今朝のミーティングの議事録を一言一句拾いながら今まで作成していた。
書きながら、改めて内容をかみ締め、そして多くのものを得られた気がする。

突然だが、昔から三国志の周瑜に憧れ、自分を重ねて考えることが多かった。
もちろん、美周郎と呼ばれたその美貌は全然関係なく、その生き方だ。
孫権というカリスマ的な君主に絶対的な信頼を受ける一方、時を同じくして劉備に仕えた稀代の軍師、 諸葛亮に勝てないことを自分では悟りながらも高次元で勝負を挑み続けるその悲壮感も含めて、好きだ。
自分は劉備や孫権、もちろん曹操のようなタイプではなく、どちらかと言えば絶対的君主をサポートする軍師的な役目が合っていると思っている。
ただ、残念ながら今まで自分が軍師に徹しきれるほどの君主にめぐり合えていないため、どうしても何かにつけて自分がチームを牽引する役目になりがちだ。
そんなことが出来る環境も、させてくれる周りの人々も本当にありがたい限りなのだが、どこか満たされない想いがあるのも事実。

今日お会いした方が今まで一番自分のイメージに近く、正直今ならその人に声を掛けられればノータイムで会社を替わりかねない気分だ。
まあ、そんなこと無いし、今の会社にもできる限りロイヤリティを持って何とか良くしていきたいと考えているけど。

まあ、大げさに書いたけど、それほどいい意味で影響を受けた一日だった。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

日帰り出張 [仕事]

今日は久しぶりに出張。目的地は広島だ。
当然日帰りで、片道5時間×2=10時間移動の実働2時間という1日になってしまった。
広島は出張にはかなり微妙な場所で、空港が遠いため飛行機で行くのも新幹線で行くのもそんなに時間が変わらない。

あまり飛行機が好きではないので、今日は行き帰り共に新幹線をチョイス。
しかもなぜか両方とも、フォルムはかっこいいが円形の車両のために居住性が損なわれたという500系のぞみだった。

新幹線にしたもう一つののは、乗り継ぎでバタバタする飛行機と比べてタップリ座っていられるため、その間にノートPCで仕事をしようと思ったからだ。
しかしながら直前の夜になって借りる予定だった会社のノートPCが急遽別件で必要になったため持ち出せなくなってしまった。

でも、そのおかげで普段スクラップしながらも読めていなかった大量の業界紙の切抜きや、昨日Amazonから届いたばかりの金融マーケティング本を1日で読みきることが出来た。
ついでに、今後のProjectの方向性についても方眼紙を使って手書き整理が出来たし、これはこれで充実の移動時間だった。

もちろん昼に食べたのは、広島風お好み焼き。
ただ、時間がなかったので駅すぐ下の「みっちゃん」で食べることとなった。
ここは残念ながら鉄板で焼いたお好み焼きがお皿で出てくるお店だった。
うまいことはうまいのだが、やっぱり広島風お好み焼きの醍醐味は食べながら鉄板の上で麺やキャベツの水分が飛んでいき、食べ進むにつれてモッチリした食感になっていくところじゃないだろうか。
時間があれば八昌に行きたかったところだが・・・。

朝6時前起きで結構疲れたが、たまには出張もええなあ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

形而上学的マーケティング? [仕事]

先日Sony VAIOの新モデル、TypeGが発売された。
このTypeG、ビジネスに特化したモデルであり、ビジネスモバイルの市場を席巻しているLet's Noteにピンポイントで狙いを定めた商品である。

個人的には、最初にリリース記事を見たときに「これはちょっと売れないだろ」と思った。
というのも、いくらもビジネスモバイルだからといっていまどきXGA(1024×768)の液晶は狭すぎると思ったからだ。特にエクセル等の集計をこなすのであれば、出来ればSXGA+(1400×1050)、最低でもSXGA(1280×1024)は欲しい。

そう思っていた先週末、TypeGに直接触れる機会があった。
その瞬間、「うわ、軽っ」というのが最初の印象だった。しかも触れてみるとカーボンファイバーの堅牢性がすごく良くわかる。もちろん液晶の狭さはやっぱりデメリットだが、それを補っても購買意欲をそそられるノートPCだった。

こういうのってメーカーの特権だな、と思う。
つまり形あるProductがあるので、直に触って商品アピールやニーズ喚起を五感に訴えることが出来る。
商品に形の無い金融商品の場合、決定的にこれが出来ない。

毎年この時期は業界統計や各種調査結果が発表される時期でもあり、マーケティング担当としては業界動向や商品動向等の各種分析を行う時期でもある。
そしていつも同じことで悩む。それは金融商品の販売動向はマーケティングよりもセリングの結果に近いものが多いためだ。

そもそも形の無い金融商品である以上、いかにその形が必要で顧客利便性につながるのかということを販売時にニーズ喚起という方法で注力していく必要がある。
その過程においては当然営業担当者の主観が入るわけで、その結果どうしてもセリングに近くなってしまう。
というのも、残念ではあるが金融業界はメーカー業界と比べてまだまだCustomers satisfactionよりもDistributor needsが中心のチャネルが多いからだ。
簡単にいうと、顧客ニーズに即した商品を作るより、営業する人へのコミッションを上げたほうが手っ取り早いといったようなことだ。

そんなセリングの集計結果でもある業界統計を、マーケティング的な観点で分析し、さらにはプロジェクトマネージャーとしてこれから取り組もうとしているプロジェクトの方向性をより実証するような結論に帰結することが理想である。これが結構難しい。

セリングの結果とは言っても、マーケットを取り巻く環境は確実に変化しており、もちろんその影響は数字にも表れている。それがどの程度なのかを見極めるのが重要だと思う。

ちょっとアカデミックに言うと、帰納法的な結果数字を見ながら演繹法的な確証を得ていこうとするところに齟齬が生じるわけだが、よくよく考えると金融業界というのは極めて帰納法的な営業をするセールスの人間が完全な演繹法の賜物である数学を利用して作った商品を販売する業界であるため、ある意味当然と言えるかもしれない。

じゃあその差を少しでも埋めていけるのは何かというと、急に青臭い話になるが、一番大事なのマーケティングや商品開発を担う人間の情熱であり信念だと思う。
両方の間で板ばさみになりながらも、信念を持って真摯に取り組んでいくことこそがいろいろな利害や価値観が交錯する会社の中で最高の潤滑油になると思う。

と、最近ブログが完全にただの日記化してたので、ちょっとまじめな話を書いてみました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

ユーティリティの憂い [仕事]

最近飲みに行くこともないのに帰宅が毎晩午前様コース。
退社するのが23時頃になってしまっているが、21時全館消灯ルールがあるため気づけば真っ暗な広いオフィスフロアで一人になってる・・・と言うケースが多い。
うーん、何でだ・・・と考えると、単純に業務量が膨大だからと言うことに気づいた(いまさら)。

原因を考えてみると、まず参加してるミーティングやプロジェクトが多すぎる気がする。
というのも、最近色んな役員からこれにもあれにも参加しろという指示が多い。
いきなり秘書から連絡が来て、「○○さんがこのミーティングに参加するように言っていますのでスケジューリングをお願いします。」ということが多い。
しかも直属の上司を介さずに来るので、これがまた事後説明に困る。
ただ、部内でもなんとなく配慮してくれるところはあるので、「本業(企画業務)をしっかりやってくれるなら」となる。
で、本業とささりこみのミーティング対応をしてると、一日14~15時間働いても全然時間が足りないという事態になっていることに、さっき気づいた(遅)。

役員から「とりあえずこいつ入れとこう」と思われるのは、大変意気に感じる部分も多いのだが、困りものでもある。
理由を考えると、おそらく

・社内の複数のチャネルでの営業経験がある
・ホストシステムを含めたITに強い
・業界情報に通じている
・資料作成スピードが速い
・ヘタクソながら英語もできる
・割とポジティブシンキング
・やらなあかんとなれば徹夜してでもやってくる

といったところだろう。
改めて書き出してみると、悪く言えば「便利屋」やん!!これはいかん。
ペットの散歩から夜逃げの手伝いまで何でもやります状態だ。

ゴルフでもフェアウェイドライバーとアイアンを足して2で割ったような、ユーティリティなるクラブがあるが、アマチュア専用であり決してプロは使わない。
うーん、これではいかん。
距離限定のアプローチ専用のボーケイウェッジやルール非適合だが300ヤード飛ばせるドライバーになった方がよいのだろうか。

でも、個人的にはSpecialistになるよりも、出来る限り全てのスキルがSpecialistクラスにあるGeneralistを目指したいと常々思っている。
そう思っているので、新たなミーティングやプロジェクトへの参加依頼があった時には、業務量を考えて断るよりも、好奇心が先に立っていつも快諾してしまう。
そういう意味では、多少キツくても視野が広がることは間違いないので、常にキャパいっぱいいっぱいの仕事をこなしていくのもいいのかも、とも思う。
でも平日全く子供に会えないのも嫌だしなあ・・・。

と、この時間にブログを描きながらこの後1~2時間程度ちょっとした副業をしようと思っていたりする。
ああ、1日30時間ほど欲しいと思う反面、自己時間管理というプロジェクトマネジメントの基本すらできていない気がして、ちょっと落ち込むなあ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

牛角では働けない [仕事]

やりたい仕事をやっている時は時間の経つのがあっという間だ。
今日はあまりやりたくない、実務的な仕事がやっと7時頃片付いたので、そこからやりたいクリエイティブな仕事を始めたら、気づいたらもう12時近くなってしまっていた。
100人以上いるオフィスのフロアも自分の机周辺以外電気が消えて気づけば一人だった。
ちなみに、周りがガラス張りの高層ビルにあるオフィスで電気が消えたときは寂しいのもあるが、夜景のキレイさもすごい。しかも目の前に東京タワーがあるため、思わず魅入ってしまう様な光景だ。

これは個人的に改善すべき点なのだが、気乗りしない業務をやっている時とやりたいことをやっている時のテンションの格差が大きい。
今日も7時までの業務中は、とりまとめをしなくてはならない立場にも関わらず、同僚から見ても明らかにテンション激低だったらしい。ちょっと反省。
どんな嫌な客にでも「はい!喜んで!」と言わなければならない牛角のバイトは勤まらんな。

で、気乗りするほうの仕事については、明日ある非常に重要な社外とのミーティングの為のものである。何かしらの意思決定があるわけではないが、個人的には新たなステージの始まりだと感じており、身が引き締まる思いだ。こういう緊張感はいい。

次の日に控えた勝負のミーティングの準備をあらかた終え、寝る前に30分ほどネットをしたり本を読んだりするまさにこの時間、個人的には結構好きです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

Initiatives [仕事]

出来ると思うことと実際にやってみることと成功することは似ているようでそれぞれ全く別次元のことである。

昨日直接副社長に進言したことがきっかけで、来週末にあるCommitteeが開かれることとなった。
こういう場合、周りの意見、特にマネージャークラスの評価は批判的な場合が多い。
「直接副社長に言うなんて」「まだ確証が得られたわけではないのに」そんな意見が結構多い。
でも、よくよく彼らと話をしてみると、「確かに必要なのはわかってる」「時期が来れば俺も言おうと思ってた」というコメントが多い。
これは私見だが、多くの人にとって“確証が得られた”時というのは、競合他社が商品や戦略をプレスする時に他ならない。
そういった場合、必ず「俺もこうするべきだとずっと思ってたんだ」とか「やっぱり、誰もがわかってたことだよな」という人間が必ず出てくる。

話にならん。

そんな自己弁護はビジネスとして一銭の価値も無いどころか、逆に機会損失という損害を会社に与えるのだと僕は考えている。

ある程度のマーケティングが出来ており、自分が直感的かつ客観的に考えてやるべきだと思う割合が高いのであれば、それを実現させる為に自ら動くことは当たり前だし、多少強引でも全社的な検討のレールに乗せる動きはしなくてはならないものだと信じている。
はっきり言って、自分としての着地点がイメージできていればそこに至る理由は後付でもかまわないとさえ思う。
そうやって着地点を見せて会社を動かせば、いろんな人が参画していく中でよりあるべき方向へ修正しながら進めていくことは可能だし、その自信はあるからだ。

チャレンジして努力する人が必ずしも成功するとは限らないが、成功する人はすべからくチャレンジして努力しているのだと思う。

そういう考えを持つのは、自分が出世したいから?給料を上げたいから?純粋に会社の為?業界全体のため?・・・答えは全部Yesだ。
サラリーマンとして少しでも早く上に行きたいのは当然であり、給料は自分の人生や家族を考えると上げたいに決まってる。さらに誤解を恐れずにいうならばそんな気概を持ってやっている人間が真剣に物事に取り組めば、きっと会社にとっても業界にとってもプラスの効果を上げられると思う。
さらに現在の職務であるプロジェクトマネジメントを行うのであれば、そういった多少の強引さは十分条件ではなく必要条件だと思う。

ただ、そのためには覚悟はもちろん物理的な労力も必要である。
今現在は求められている職務をこなすだけでも朝から晩まで休みなしといった感じだが、やっと夜8時に仕事がひと段落ついた時、そこから将来のプラスαプロジェクトについて自発的にあと2時間踏ん張れるかどうかが勝負の分かれ目だと思う。
そして、その踏ん張りを保つ為にいかにモチベーションを高めるかというのも重要だ。
それには以前にも書いたように、自分なりに仕事のサイクルを決めて自分で自分をアゲていく努力が僕の場合は有効だ。

あと、こういうモチベーションを保つ為には同じように奮闘している同志と刺激しあうのが何より。
最近の社内の後輩にはそんな気概や野心を持った人間が少なくなっており、それが少し残念ではある。

世の中には二つのタイプの人間がいると思う。
新たなチャレンジが目の前に現れたとき、「何で俺がやらなきゃならないんだ」と思う人間と「これは俺がやらねば誰がやるんだ」と思う人間。
自分は常に後者でありたいと思う。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

船頭多くして [仕事]

月曜日から今日まで、実にいろいろなことがあった。
その中でももっとも大きなイベントが火曜日のボードミーティングだった。
一年半以上取り組んできたProjectのGo/No-go Decisionの場だったのだが、最終的には結論は持ち越しとなってしまった。

外資系企業の定めかもしれないが、役員が10名以上集まると数カ国の人が入り混じることとなる。
そうすると、一つのことを話していても感じ方は人それぞれ違う→違うので満場一致になりづらい→なので結論は次回に持ち越し→そうしているうちに長期化して本国との人事異動等で役員が入れ替わり→また一から上層教育→振り出しに戻る。と言った凶悪コンボが繰り返されてしまう。
ストⅡのリュウのしゃがみ小キック連打ピヨりよりたちが悪い。

しかし、何よりオイオイと思ったのは、こっちが必死に役員10人からの質問攻めに立ち向かっているのに、形勢が不利と見るや「オッケー、じゃあProjectは中止にしよう」と即効白旗を揚げたうちのヘッド(外国人)だ。援護なしかよ!
まあ、その後さらに議論があって中止にはならなかったわけだが、なんとも疲れたミーティングだった。

と思いきや別の件で社内の近い部門から別の横槍が。本能寺に敵いすぎやで、ほんま。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

Noと言えない日本人 [仕事]

今日は9月末を持って本国に異動となった外国人上司の送別会だった。
体調を崩しているところに無理して飲んだため、気づけば最寄り駅を乗り過ごしたところでよだれをたらして寝てしまっていた。人としてかなり問題ありかも。

その上司と過ごした2年間についていろいろ話し合ったのだが、改めて確認したのは日本人はBusiness Meetingにおいて「No」と言うことが極端に苦手だと言うこと。
確かにこれまでの経験からでも、重要な決断を迫る会議に限って、結論を先送りにするといった場面を目の当たりにしてきた。
よくあるケースが、「この件については別途協議しましょう」とか「さらに顧客調査してみましょう」と言った総括方法だ。

欧米の人は、Business Meetingの場とそれ以外の人間関係を明確に区別できるのが利点だと思う。日本人はどうしても事なかれ主義に流れて、Business Meetingの場でも主義・主張の対立を避ける傾向がある。この点は欧米のやり方を学んでもよい部分だと思う。

もちろん、日本人だからこその解決策が導き出せることもあるのだが、折角外資系に勤めている以上、日本人同士だと学べないようなそういった商慣習を身に着けていければなあ、と切に思う。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

十国十色 [仕事]

うちの会社はいわゆる外資系で、今働いているフロアにも外国人が多くいる。
半径20メートル以内でも、フランス人、オーストラリア人、アメリカ人、イギリス人、日本人(当たり前か)と五目野菜炒め状態だ。

そんな中、今週金曜日に日本の公的社会保障について主に外国人役員向けにプレゼンすることになった。
これまでは日本の状況を説明する資料を英語で作成していただけだったが、ふとプレゼンされる人達がどのようなバックグラウンドを持って聞くのだろうか、と疑問に思った。
そこで、上記各国の社会保障を一覧表にまとめて、それぞれの国から見て日本の現状がどう違うのかといった資料を何枚か作ってみた。
すると、これが結構面白い。日本では当たり前のことが、国が違えば当たり前でなくなるからだ。
例えばイギリス。
国民は自由に大きな病院に行くことは出来ない。まずはかかりつけの家庭に診察してもらい、家庭からの紹介状がなければ大学病院等には行けないのだ。厚生労働省の政策意図を無視すれば、今の日本では初診料さえ支払えばいきなり順天堂だろうが慶應病院だろうが初診からかかることができる。
家庭医から紹介手続きをされてから診察を待つまでの順番待ちは、Waiting Listと呼ばれ、重度な病気の場合だと順番が来る前に亡くなってしまう事も多い。
ただ、その代わり、基本的には医療費の国民自己負担は無い。
医療保障一つをみても、実に日本とは異なっているのがわかる。

文化・社会・宗教・歴史・教育・言語・人種、様々な違いが世界中の国々にはある。
そのわだかまりが摩擦を起こし、今も内戦が治まらない国もたくさんある。
でも、人間一人一人は国籍を問わず、言葉を問わず、分かり合える存在だと思う。
異文化コミュニケーションは楽しいし、いろんな刺激を受ける。
今後はもっと語学力も鍛えて、さらに色んな国の人達と話せるようになれれば!・・・と・・・いつも思っているんだが、これがなかなか、ねぇ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感
free counters

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。