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ボヤキ [雑談]

日本に帰ってる間に、何気なく電車待ちの時間に入った本屋で立ち読みして、面白かったのでそのまま買って京阪樟葉から淀屋橋までの往復で読み終えた本。
それがこちら。


野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)

野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)

  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/08/10
  • メディア: 新書



前から気にはなってたけど、楽天の野村監督の著書を読むのは初めて。
あっという間に読めるような分量なのだが、言っていることはなかなか濃い。
その上、自分が関わってきた人を遠慮無くズバズバ切っていくのは痛快というか、球界の長老となったノムさんならではの切り口だ。
例えば、「野球人である以前に社会人たれという意味では、古田の人間教育には失敗した。年賀状一つ送ってこないのがその証拠。」と言った調子。
選手を好き嫌いで見てはいけないという割にマー君への並々ならぬ思いが綴られていたり、息子のカツノリをコーチとして寵愛したりといった若干の矛盾は感じられるものの、一野球人にとどまらず現役時代から常に試行錯誤と努力を繰り返してきて、だからこそ70歳を超えた今でも野球の現場の最前線で乞われる職があるというのはすごい。

対比させる物では無いかもしれないが、パリから日本に帰る飛行機の中で司馬遼太郎の対談集も読んだ。


対談集 日本人への遺言 (朝日文庫)

対談集 日本人への遺言 (朝日文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 文庫



野球人と歴史小説家といういわば職業的スペシャリストが書いた両本だが、野村監督が野球から入って社会人としての考え方、生き方にまで視座を広げている一方で、司馬遼太郎は恐らく歴史小説家として自然と感じた日本の土地所有や地価にまつわる問題点を切り口にして情緒的に日本の将来を憂いていて、正直言うと論理性と全体感に欠ける議論を展開しているのは興味深い。
言っていることは尤もだがロジカルではないために、作中の大前研一との対談は全く噛み合ってないが一方で宮崎駿とは意気投合していたりするのも面白い。

ただ、だからといって歴史小説家としての司馬遼太郎の価値が下がるわけでは無く、スペシャリストとして一つのことに人生を賭して突出するのか、一つのことを志しながらもそれだけに捕らわれない視座を持ちながら極めていくのかというその対比が興味深く感じられたと言うこと。
自分はどうかと思い返すと、どっちかというとノムさんタイプなんだろうな。
とは言え、テスト生で入団して努力して三冠王にまで登りつめ、45歳までプレイングマネージャーとして活躍したレベルと比べるとめちゃくちゃちっこいけど。

一方で司馬遼太郎と言えば、『翔ぶが如く』と『燃えよ剣』が未読のまま机に積まれている。
じっくり腰を据えて読みたいのだが、それ以前に少しでも語学やマーケティング論、戦略論的な本も読まなきゃと手をつけられずにいる。
ま、そう言いながらも日本で買ってきたPC雑誌を風呂で読んでたりもするんだけど。
ノムさんは遠いわ。
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