SSブログ

意志決定の質 [仕事]

今週末に読んだとあるビジネス関連書にあった、意志決定における認知バイアスを見抜く12の質問。

意志決定者が自問すべき質問
1.提案しているチームが私利私欲にかられてミスを犯したのではないかと疑う理由があるか。
2.チームは、提案に惚れ込んでいるか。
3.チームの中に反対意見があったか。それは十分検討されたのか。

提案者に問うべき質問
4.今でも印象に深く残っている成功事例との類似性が、分析に過度の影響を及ぼす恐れはないか。
5.提案には信頼できる代替案が含まれているか。
6.1年後にこれと同じ意志決定を繰り返さなければならないとしたら、どのような情報が必要になるか。それを今入手できるか。
7.数字の出所を承知しているか。根拠のない数字があるか。過去からの推定があるか。あるいは、特定のアンカリングを用いる動機があるか。
8.ある分野で成功した人や組織、あるいは手法が、他の分野でもうまくいくと、チームは考えているのか。
9.提案している人達は過去の決定にこだわりすぎていないか。

提案を評価するための質問
10.基本ケースは楽観的すぎないか。
11.最悪のケースは本当に最悪か。
12.提案しているチームは用心深すぎるか。

こうやって文章だけを見ていてもイマイチ実感がわかないが、去年一年間で自分が少しでも関係した社内意志決定に当てはめてみると、一気にリアリティが増す。
自分の判断で完結するような仕事はまだまだ小さいので、どちらかと言えば自分が提案者の一人となってマネジメントへ上程し、かつ、結果的に想定通りに行かなかった物と重ね合わせてみると、思い当たる節がいくつもある。

開き直って言う訳ではないが、まずかった点は自分にも責任があった物として正しく認識し、「では次に似たような場面に遭遇すればどのような行動を取るべきか?」を日々考えて実践することが肝要。
スタッフからマネージャー、そしてさらに上の役職を目指していくためには、それぞれのレベルでその意志決定の因果律を何度も経験し、ロジックと勘どころの両方を磨いていくのがビジネスマンの責務だと思う。

上記の因果律を正しく蓄積するために必要だと思うのは、正しい考え方をすること。
定石の上に必要な個別対応を踏まえ、他の人や部署と議論や話し合いをしっかりとこなし、反論もしっかりと吟味すること。
これが大事なのだが、日本の会社組織だとこれがなかなか難しい。
「もう役員間で合意がなされた件なので」とか「その件になるとうちの部署だけでは決められないので」といった決まり文句で、社内規則や職務分掌上の「正しい」ではなく、論理的に「正しい」思考・検討プロセスが阻害されてしまうことが多々ある。

それを乗り越えて組織を導くのがマネージャーの役割なのだが、全ての案件に同様の対応をしていてはとても時間が足りない。
そのためには案件の重要度(order of magnitude)をタイムリーに見極めていく必要があるのだが、そのためには自分の業務範疇での意志決定が必要になってきて、冒頭のチェックリストにまた戻る。

つまり、社長、役員、シニアマネージャー、マネージャー、スタッフ、そのポジションにかかわらず、皆それぞれのレベルで意志決定の質を磨いていかないと組織の強化には繋がらないのだ。
そしてさらに難しいことは、目の前の日々の業務を処理していく業務経験だけでは上記のチェックリストで求められる項目全てを強化できないと言うこと。

仕事のクオリティを上げるためには、仕事以外のこと、職場以外の人との接点を増やさなければならないのだ。
最近深夜残業がずっと続いている自分への自己反省を込めて。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

運動会2011洗濯機 ブログトップ
free counters

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。