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技師道 [雑談]

久々に読後感でも。

最近読んだ中で印象的だったのは、小説では百田尚樹の『永遠の0』。
フィクションだと分かっていても、情景描写と展開のうまさに引き込まれるように読み進めてしまうし、ある意味ではノンフィクションだとも言えるだけに実際にあったこととして心に深く突き刺さる。


永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: 文庫



小説兼ビジネス実用書といった感じなのが、西堀栄三郎の『技師道十五ヶ条』。


技士道 十五ヶ条 ものづくりを極める術 (朝日文庫 に 9-1)

技士道 十五ヶ条 ものづくりを極める術 (朝日文庫 に 9-1)

  • 作者: 西堀 榮三郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2008/01/11
  • メディア: 文庫



先日アマゾンで本を購入した際に西堀栄三郎の本を何冊か購入したのだが、この方を知ったのはNHKのプロジェクトXの南極越冬隊の回。
1957年の第一次南極観察越冬隊長として日本初の越冬隊を指揮し、プロジェクトXでは当時のチームメンバー(放送当時既に70歳以上になっておられたが)が西堀隊長を思い出して号泣するという場面を目にし、一体どんな素晴らしいリーダーなのかと興味を持ったことがきっかけ。

本人も著書の中で語っているが、登山家にして発明家、技術者にして啓蒙者、研究者に教育者といくつもの顔を持ち、「専門を持たないことが専門です」というキャリアを積まれた西堀さんの言葉は、全ては技術者としての物作りの精神に根ざしている。
戦後間もない頃から品質管理の真理を追究し、作業の標準化→改善→新たな技術の開発という"プロセス"を定義づけ、そのプロセスの実現のためには実際に作業を行う人達のヒューマンマネジメントを考慮した組織運営が必要で、その組織を前に進めるためにはビジョンを伴ったリーダーシップが必要であると説いたその先見の明と普遍的な言葉の数々は、2012年を生きるビジネスマンにとっても非常に参考になる。

実際、彼の言葉の一説はまさに直前に読んだ『戦略脳を鍛える』の中にも引用されている。


戦略「脳」を鍛える

戦略「脳」を鍛える

  • 作者: 御立 尚資
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2003/11/14
  • メディア: 単行本



曰く、ヒマラヤ登頂チームを組織する際に全国から集めたチームにはエース級の登山家が名を連ねていたのだが、千両役者ばかりだと天狗の鼻が邪魔になって、俺も俺もとみんなが頂上に登りたがり、収拾が付かなくなってしまうために全員断ってしまったのだそうだ。
そして今度は、「高所の山登りの経験があり、協調精神の強い人」という条件をつけて募集し直し、隊を編成したとのこと。

西堀氏曰く、これからの組織運営は人から仕事をやらされている、人に仕事をやらせていると考えるのではなく、「自分からやっている」という自主主義の下に、「みんなで共同の目的を果たそう」というチームワークの概念で捉えなければならないと思っている・・・これには共感するコトしきり。

年明けからは自分のチームに色々と変化があるが、金融業ながらも西堀氏の技師道に思いを馳せながらチームマネジメントしていこう。
ま、今からいうと鬼に笑われるけど。
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