SSブログ

戦略論の歴史 その1 [仕事]

天気が良ければ家族でどこかに出かけたかったのだが、あいにくの大雨なので家で最近読んだものの中で参考になった本の書評を書く。
ちなみに僕の場合はMicrosoft OfficeのOneNoteで書評を書き、完成したページはOneNoteのメニューから電子メールでEvernoteのアドレスに送付し、クラウド化している。
OneNoteもクラウド化したファイル保存をしているが、iPadやiPod Touchで専用アプリから気軽に見るにはEvernoteの方が便利。
Evernoteはプレミアム会員になっているが、あんまり使いこなしているとは言えないので、何か身の回りで便利になることが他にないか探してみよう。
活用アイデアがあれば是非教えてください。

さて、ここ数週間は、それまでの小説月間から離れて、久々に戦略論的な本を多めに読んできた。
有名どころではビジネスポートフォリオミックス(BPM)等があるが、何となくモヤモヤしていたのは、各種フレームワークと今のビジネスへのマッチング度合いだ。
そこで、書評を書きながら整理して考えてみたのが、以下の流れ(Blog用に簡略して記載)。

◆1960年代~:経験曲線とBPMの発見
高度成長期の戦略といえば、主に製造業の時代。
如何に安く如何に効率よく作って市場シェアを獲得するかという供給合戦に沿った戦略が生まれ、経験曲線に基づいた低コストポジショニング戦略がまず花開く。
次に成長戦略をサポートする理論としてBPMが一世を風靡(例のスター、金のなる木、問題児、負け犬、の2×2マトリクス)。
でも現代から振り返ってみると、BPMはあくまで成長戦略、成長を目的に積極的に投資を続ける戦略に対して有効であり、GEのような複雑で多様なコングロマリットに良いかもしれないが、標準戦略があまりにも単純なので、個々の事業戦略の中身は投資の有無しか意志決定できないのがタマニキズ。

◆1970年代~:SWOT分析
ここで出てきたのは、外部と内部の環境から戦略を考えるというもの。
でも、課題としては市場や競争環境のどのような要素を取り上げ、何を基準に「機会」と「脅威」に分けるのか、何が自社の「強みで」何が「弱み」なのかは、分析する担当者の主観が大きく入るため、実際のビジネスにおいても「そもそも○○の視点が抜けているのでは」「△△はむしろ脅威だろ」とか言う議論に陥りやすい。
そして、その結果チャートの書きぶりの議論に終始して、その分析をどうやって生かすのかがよく分からなくなりがちなので、僕は殆ど使わなかったりする。

◆1980年代~:ポーターの競争戦略とピーターズのエクセレントカンパニー
戦略に携わるビジネスマンとしての基礎知識ともいえる、ポーターの競争戦略。
極めてざっくりと総括すると、5フォースにより「産業の魅力度」を分析し、コストリーダーシップ・差別化・集中戦略の要素から基本戦略をくみ上げ、9つの企業価値活動を高めていくというもの。
それに対してエクセレントカンパニーでは、企業の人間的、文化的価値を重視し、組織で働く人の行動、顧客との関係、自主性、価値観の共有、といった人間的側面に着目し、戦略よりも企業文化の革新に分析の軸をおいている。
同じような時代背景の中で出てきた2つの戦略論で見ると、当時の日本企業は、ポーターの視点からは「戦略無き組織」に映るのに対し、ピーターズの視点からは「優れた文化を持つ企業」となるか。
現代から見ると前者は変わっていないけど、後者はまた更に変わってきていると思うが、やっぱりビジネスは実績を出してナンボの世界なので、真っ赤っかで低業績だけど素晴らしい企業文化というわけにも行かないから、戦略がなくてもマクロ経済の伸びで伸展してこれた80年代とは変わって、今は後者を実現するためにも前者の戦略がより重要になってきていると言えるかもしれない。

ちょっと長くなったので、次回のエントリーにつづく。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

緑と茶戦略論の歴史 その2 ブログトップ
free counters

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。